大人が夜な夜な2次関数? くもん、中高生の内容を「大人向けドリル」に 支持される背景とは(2/4 ページ)
近年、「大人の学び直し」が注目を集めている。資格取得やキャリアアップのためではなく、「学生時代の勉強をもう一度やってみたい」といったニーズもあるという。こうした需要を背景に、くもん出版は中高生向けの国語や数学を改めて学べる大人向け学習書を展開している。
2次関数や因数分解、覚えていますか?
数学分野では『解きながら楽しむ 大人の数学 因数分解と平方根編』『同 三角比と三角関数編』『同 2次関数と微分・積分編』を展開する。中学数学からスタートし、最終的には「微分・積分」まで到達できる構成とした。
問題設計にあたっては、学習塾「KUMON」の強みである「スモールステップ」の考え方を取り入れた。例題を手本にしながら段階的に解き進める方式で、順番通りに取り組めば自然と理解が深まるようにしたという。
また、学校教育では学ぶ順番が定められているが、大人の学び直しにその制約はない。そこで中学3年生程度の内容を起点に、必要な単元に絞り込み、効率的に「微分・積分」へとつなげる構成にした。関連性の薄い単元は思い切って省き、最短距離で到達できるようにした。
当初、社内では数学を担当したがる編集者は少なかったという。数学分野を担当した田島佳奈氏は「うちの会社は文系の人が多いんですよ。ただ、すごく熱狂的にやりたいという人が社内にいて、それが当時の社長だったんです」と振り返る。
全国規模で見れば、そうした熱狂的なニーズは一定数あるのではないかと判断した。また、KUMONが算数・数学に強いイメージを持たれていることも後押しとなった。実際に、過去にKUMONに通っていたことをきっかけに、購入するケースもあるという。
購入者の中には「夜に1問解いてから寝る」という習慣を続けている人もいるそうだ。「集中できる」「モヤモヤを忘れて没頭できる」といった声も寄せられている。
答えが明確な数学は、解き切ったときの達成感が分かりやすい。田島氏は「1日15分、見開き2ページ分で、大人も続けやすい分量にしています。机に向かって、集中して解いて、気持ちよく達成感を得られる。それが数独やクロスワードに近い、パズル的な楽しさにもつながっているのかもしれません」と話した。
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