真っ赤な衣装で「踊る」警備員 2割高でも依頼が絶えない理由(1/3 ページ)
赤い衣装を身にまとった警備員が、ダンサーのようにステップを踏みながら交通誘導をする。価格は2割ほど高い単価にもかかわらず、なぜ依頼が絶えないのか? パフォーマー警備員を派遣するSHOWYAに取材した。
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赤い衣装を身にまとった警備員が、ダンサーのようにステップを踏みながら、手にした誘導灯で人と車の流れを整えていく――通常の警備員と様相が異なる謎の警備員の正体は、警備会社のSHOWYA(兵庫県宝塚市)が派遣する「パフォーマー警備員」だ。
来場者が多く、駐車場での待機列が発生するようなイベント会場に出向き、通常の交通誘導に加えパフォーマンスで人々の目を引き付ける。パフォーマー警備員の利用料金は通常警備の2割増だが、それでもリピーターや新規の依頼は多い。
SHOWYAの梶屋都社長はもともと造園会社で働いており、2019年に未経験の警備業界で起業した。どのような経緯でパフォーマー警備員というアイデアを思いつき、事業展開に至ったのか。
ニューヨークで見た「踊る」交通整理
パフォーマー警備員というアイデアの種は、梶屋氏が大学生の頃、旅行で訪れた米・ニューヨークで芽生えた。
「空港に向かうためにタクシーで移動していたところ、通勤ラッシュに巻き込まれてしまいました。ラッシュにいら立つドライバーが多い中、交差点で楽しそうに踊りながら交通整理をしている女性警備員がいたんです。そこを通る人がみんな笑顔になっているのが印象的でした」
梶屋氏はそのまま大学を卒業し、大阪府内の造園会社に就職。結婚後、パートナーが営む造園業を手伝ったり、子育てと並行できる自宅カフェを経営したりしていた。
「子育てがある程度落ち着いてきたので、何か新しいことがやりたいなと考えていたんです。実家の近くを運転していた時に、たまたま面白い動きをしている警備員さんを見て、それがニューヨークでの思い出とリンクして、これで会社を作ったら面白いんじゃないかと思ったのがきっかけです」
警備の知識は全くなかったが、直感で動くタイプだった梶屋氏は知り合いの紹介で警備会社の社長たちにアイデアをぶつけて回った。しかし返ってきた答えは「いばらの道だからやめとけ」だった。
現場仕事で男性中心の社会だったからか、以前は新たに立ち上げると潰される、仕事の奪い合いがあるという話も少なくなかったようだ。
しかし「ときめいたことはやってみたい」という思いで、準備を進めた。2018年12月、自宅の隣に住んでいた劇団の座長に「パフォーマー警備員というビジネスをやろうと思っているのだが、一緒にやってくれないか」と声をかけた。
人前でのパフォーマンスに慣れているという点に加え、稽古や舞台などまとまった休みが必要な劇団員にとって、単発の仕事が多い警備員は相性が良かった。最初に採用した座長が劇団の他のメンバーにも声を掛け、追加で2人のパフォーマー警備員が集まった。
警備業の認定を取得後、2019年4月にSHOWYAを起業した。劇団員はパフォーマー警備員としての採用だったが、まずは他社の警備業務に従事し、実務を通じて交通誘導のルールや合図などの基礎を一つひとつ身に付けていった。
当時、梶屋氏は「仕事が取れれば、パフォーマー警備員1本で会社を回せるだろう」と見込んでいたが、現実はそう甘くはなかった。コロナ禍に突入し、派遣先として考えていたイベントが軒並み中止になったのだ。
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