イオンやオーケーとどう戦う? トライアルが西友統合で仕掛ける次の一手:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
西友を買収したトライアルHD。競合がひしめく中で、どのような勝ち筋を描いているのか?
低価格戦略を採用するオーケーと独自路線のライフ
ウォルマートを目標に「Everyday Low Price」戦略を採用してきたトライアルHDにとって、同様の戦略を掲げるスーパー「オーケー」は無視できない存在だろう。
オーケーは2024年11月、大阪府東大阪市に関西1号店となる高井田店を出店。その後、阪神間で矢継ぎ早に出店を重ね、関西の店舗数は7店舗にまで拡大した。関東では国道16号線の内側に出店する戦略を採用し、約170店舗を展開する。
2023年には東京・銀座にも出店するなど、多様な立地で挑戦しながら、都市型スーパーの可能性を探っている。
銀座店では、ランチ需要を意識した焼きたてピザやかつ丼、サンドイッチなどの弁当コーナーを強化。さらに、インバウンド客を意識し、日本酒の品ぞろえも充実させていた。
2026年2月5日に東京で開業した大泉インター店では、レジ前に冷凍食品売り場を広く配置。魚の総菜の新PB「魚恵」を、大阪の野江店に続き関東で初導入するなど、ファミリー層のまとめ買い需要を意識した売り場づくりを進めている。
商品の安さや、社員が商品価値を見極める力では一歩先を行くとされるオーケーだが、価格だけでは競争に勝ち続けるのが難しくなりつつある。立地特性に応じて売り場の構成を変える柔軟性を強めている点が、近年のオーケーに見られる大きな変化と言える。
一方、関西発祥で首都圏にも強固な基盤を築くライフコーポレーションは、主力の食品スーパー「ライフ」に加え、オーガニック商品を扱う「ビオラル」に注力している。
ビオラルは2016年に大阪市内に1号店を開業。現在は首都圏9店舗、関西5店舗の計14店舗に拡大した。さらに、ライフ店舗内でのコーナー展開も進み、第2のブランドとして存在感を高めている。
新型コロナウイルスの感染拡大を契機に高まった健康志向は、ビオラルにとって追い風となった。有機野菜や店内調理の総菜など、こだわり商品をそろえながらも、手に取りやすい価格帯を維持している点が強みだ。
こうした方向性は、トライアルHDには見られないもので、明確な差別化戦略となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
都内に進出「トライアルGO」は「まいばすけっと」の牙城を崩せるのか 実店舗を訪問して分かった「強み」
トライアルHDが11月、トライアルGOの都内1号店を出店した。首都圏には同様な業態として「まいばすけっと」が先行するが、どう戦っていくのか
トライアルGO、都内初出店 コンビニではない“真の競争相手”とは
トライアルGOが都内に初出店した。イオンのまいばすと似た形態で、「コンビニのライバル」とも報じられた。ただ、こうした小型スーパーの出店で困るのは、実はコンビニではなく、全く別の企業なのである……。



