ファイル容量1TBの刷新からAI活用へ 白青舎がBoxのプロと描く、独自技術のDX推進
ファイルサーバの容量不足解消とセキュリティ強化のために「Box」を導入した白青舎。パートナーの丸紅ITソリューションズとの二人三脚によって、Boxを単なる“箱”ではなくAI活用も視野に入れたDX基盤に進化させた。成功の鍵となった「カスタマーサクセス」の実態とは。
イオングループで総合ビルメンテナンス企業の白青舎は、バックオフィス業務の効率化やセキュリティ対策の強化が喫緊の課題になっていた。特に深刻だったのが、ファイルの共有環境だ。
白青舎の小野美季子氏は、当時を次のように振り返る。
「2021年に私が入社した当時、本社にあったファイルサーバの容量1TB程度しかありませんでした。企業が運用するファイルサーバとしては容量があまりに少なく、家庭用PCと大差がありませんでした。当然、慢性的な容量不足に悩まされており、セキュリティ対策やBCP(事業継続計画)の観点からも早急な刷新が必要でした」
そこで白羽の矢を立てたのが、容量無制限のストレージや強力なセキュリティ機能、外部との柔軟なコラボレーション機能などに定評があり、世界各国の企業が採用しているクラウドストレージサービス「Box」だった。
前職でBoxの利用経験がある小野氏は、Boxであれば白青舎の課題を一挙に解決できると確信し、Box導入プロジェクトをけん引することになった。
白青舎は当初、取引関係があるベンダーを通じてBoxを導入する計画だった。しかしBoxの利用経験がある小野氏から見て、そのベンダーの支援サービスのクオリティーは決して満足できるものではなかった。そんな折に目にしたのが、丸紅I-DIGIOグループの丸紅ITソリューションズ(以下、MISOL)によるカスタマーサクセスサービスに関する事例記事だった。
「Boxはライセンスを購入して終わりではありません。その後の運用や定着が何よりも重要です。事例記事を読んでMISOLのカスタマーサクセスのレベルの高さを確信できたので、すぐにコンタクトを取りました」
こうして2022年1月、白青舎はMISOLをパートナーに迎えてBoxの導入に取りかかった。
カスタマーサクセスでBox運用を客観的に評価
Boxは単なる「ファイルの置き場」ではなく、さまざまな機能を通じて人々の働き方を変容させるポテンシャルを秘めている。機能を活用することで、クラウドストレージサービスの枠を超えて社内外の情報活用のハブとなる「コラボレーションプラットフォーム」として機能する。
その半面、高機能なツールであるが故に、導入したものの「機能を使いこなせない」「現場で利用がなかなか定着しない」「ガバナンスが効かない」といった課題に直面する企業は多い。そこでBoxの導入から定着、活用までユーザーに寄り添うカスタマーサクセスが注目されている。
MISOLはカスタマーサクセスのサービスを長年提供しており、Boxのライセンスの販売と導入支援だけでなく、活用を支援する専任の担当者(カスタマーサクセスマネージャー)を配置してユーザーに伴走する体制を整えている。
白青舎のカスタマーサクセスマネージャーを担当するMISOLの廣瀬翼氏も、利用状況を深く理解した上でのきめ細かな支援を心掛けている。その中心的な場が、定期的に開催する定例会だ。
「Boxは進化のスピードが非常に速いため、新機能が頻繁にリリースされます。しかも同社からの情報は技術的な専門用語が多く、ユーザーが理解しにくい面があります。そこで、定例会では膨大なアップデート情報の中から白青舎さまにとって真に必要な情報をピックアップして、かみ砕いてご案内しています」
廣瀬氏による「情報のフィルタリング」と「翻訳」は、小野氏にとって大きな助けになっている。Boxの管理画面には多数の設定項目があり、一つの設定ミスがセキュリティ事故につながるリスクをはらむ。MISOLは豊富な他社事例や知見を基に、白青舎に最適な設定を提案している。
小野氏は、MISOLの支援体制を高く評価する。
「Boxは企業ごとにまったく違うシステムと言っていいほど環境が変わるので、本当に最適な設計や運用ができているのか、判断しかねる場面が多々あります。そんなとき、廣瀬さんが他社事例も踏まえて第三者視点で当社のやり方を客観的に評価してアドバイスしてくれるので、本当にありがたいです」
「勝手なフォルダ移動」を防ぐエコソリューション
MISOLの技術的なソリューションも白青舎の課題解決に大きく貢献している。その一つが、MISOLが独自に開発・提供しているBoxのアドオンツール群「Boxエコシステムソリューション」だ。
Boxはドラッグ&ドロップで直感的に操作できる点が大きな魅力だが、マウス操作のミスでフォルダを移動させてしまったり削除してしまったりするリスクもはらんでいる。白青舎にとっても、ITリテラシーが異なる従業員が利用する中で誤操作によるフォルダ構成の崩壊やデータ消失のリスクは看過できない問題だった。
「フォルダ管理の権限は各部門の管理者に委譲していますが、部門フォルダを上位階層に勝手に移動してしまったケースがありました。本来は部門内でしか参照できないはずのファイルが部門外の従業員にも共有され、大量のファイルの移動が発生して業務に支障を来しました」(小野氏)
そこで白青舎が導入したのが、Boxエコシステムソリューションの一つ「Folder Locker」だった。これは、特定のフォルダに対する「移動」や「削除」の操作を制御できるものだ。
BoxのAPIを使えば同様の機能を実装できると小野氏は知っていたが、開発にかかる工数がネックになっていた。そこでMISOLに相談するとFolder Lockerを紹介され、すぐに採用した。
MISOLの平井颯馬氏は、Boxエコシステムソリューションの価値を次のように強調する。
「個別対応で解決した課題と同様の相談を他のユーザーから受けることは多々あります。そうした『多くのユーザーに共通する運用課題』を解決できるものをBoxエコシステムソリューションとして提供することで、Boxの標準機能ではカバーできない“かゆいところ”に手が届く支援を効率的に行えます」
Boxを使い倒すことでDXを加速させる
MISOLの支援によってBoxの活用を推進する白青舎は、さらなる業務効率化のために新機能の導入に挑んでいる。その一つが「Box Sign」による電子署名の展開だ。これまで紙ベースで行っていた契約業務や承認プロセスをデジタル化することで、リードタイムの大幅な短縮とペーパーレス化を目指す。一部業務でのテスト運用を経て、既に本格的な運用フェーズに入っている。
生成AI機能「Box AI」や動画コンテンツなどを集約して共有できる「Box Hubs」を業務で活用するための検証もしている。外国籍の従業員が多い同社にとって、Box AIによる多言語翻訳や要約機能はコミュニケーションの壁を取り払う強力な武器になる。
新しい挑戦において、白青舎がMISOLのカスタマーサクセスにかける期待は大きい。「AIにどのようなデータを読ませるべきか」「権限設定はどうすべきか」。こうした点を検討する上でも、MISOLの豊富な知見が不可欠だ。
廣瀬氏は、今後の支援について次のように意気込みを語る。
「Boxは単なる“箱”ではなく、コンテンツ活用のプラットフォームへと進化しています。Box AIやBox Hubsはユーザーのビジネスを加速させる大きな可能性を秘めていますが、使いこなすためのハードルは決して低くありません。当社はユーザーの業務を深く理解した上で『白青舎さまならこの使い方がベスト』と具体的に提案し、共に新しい価値を創造したいと考えています」
小野氏もこうしたMISOLの支援体制について、大きな期待を寄せている。
「Boxの活用を進めていくと、どうしても活用が停滞する“天井”に突き当たるタイミングが訪れます。自分たちだけで悩んでいてもなかなか打開策が思い浮かびませんが、そんなときMISOLから第三者の視点でアドバイスしていただくことで突破口が開けます。今後とも、当社のBox活用とDX推進に共に取り組む“戦友”としてお付き合いいただきたいですね」
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提供:丸紅ITソリューションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年4月15日







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