カラオケ会社が「9年で業界7位」 第一興商が明かすコインパーキングの世界:インタビュー劇場(不定期公演)(5/5 ページ)
カラオケ機器や「ビッグエコー」で知られる第一興商が、コインパーキング事業で存在感を高めている。2016年の参入からわずか9年で車室数5万を突破し、業界7位に浮上。なぜ、急速に伸ばしているのかというと……。
街の変化を観察するビジネス
土肥: コインパーキングを運営するにあたって、想定と違ったことはありましたか?
鹿島: この業界って「立地8割」と呼ばれているんですよね。場所がよければ、稼働率が高くなるので、運営はうまくいくといった話ですが、必ずしもそうではありません。
例えば、駅前に商業施設があって、その近くに駐車場がある。「立地8割」と呼ばれているので、「駅前の人気エリアなら大丈夫でしょ」と思われるかもしれませんが、実際に運営してみると、そうでもないケースがあるんですよね。
昼は満車になっても、夜はガラガラ。平日は満車でも、週末はガラガラ。晴れの日は満車でも、雨の日はガラガラ。こうしたケースがありまして。
稼働率の数字だけを見ていると、「なんとなくうまくいっていそう」と思われるところでも、時間帯別に見ると「いまひとつ」というケースがある。というわけで、運営側は駐車場を一つ一つ検証していかなければいけません。
土肥: どのようにですか?
鹿島: まず、料金はどうなっているのか、検証しなければいけません。「30分300円」と「20分200円」の場合、どうすればいいのか。1時間停める人であれば同じ料金なので、どちらの表示でも問題はないでしょう。
しかし、その駐車場は短時間での利用が多く、1日の回転率が高いところだったらどうか。「30分300円」よりも「20分200円」のほうが「安い」と感じられて、利用者が増えるかもしれません。
ただ、数字だけでは、よく分からないこともあるんですよね。駐車場そのものは変わりませんが、周囲の環境は変わる。例えば、近くでマンションの工事が始まると、現場で仕事をされる人たちがクルマを停める。工事が1年ほど続く場合、その期間の料金をどうすればいいのか。工事が終わった場合、料金はどうすればいいのか。
といった具合に、現場に足を運んで、街をよく観察しなければいけません。いまがベストとは考えず、もっといい方法があるのではないか。と模索しながら、運営を続けていかなければいけません。
土肥: なるほど。コインパーキングというと、場所を確保して、機械を設置すれば、自動的にお金が入ってくるビジネスだと思っていました。しかし実際には、街を歩き、人の動きを読み、数字を検証し続ける仕事なんですね。本日はありがとうございました。
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