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カラオケ会社が「9年で業界7位」 第一興商が明かすコインパーキングの世界インタビュー劇場(不定期公演)(4/5 ページ)

カラオケ機器や「ビッグエコー」で知られる第一興商が、コインパーキング事業で存在感を高めている。2016年の参入からわずか9年で車室数5万を突破し、業界7位に浮上。なぜ、急速に伸ばしているのかというと……。

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ドミナント戦略は簡単そうで難しい

土肥: その話を聞いていて、自動販売機のことを思い出しました。人通りが多い場所に自販機を設置すれば、あとはお金がチャリンチャリンと入ってくる――。このように思われている人が多いかもしれませんが、ある関係者は「メンテナンスがものすごく大事」だと言っていました。

 缶コーヒーを買おうと思ったとき、その自販機が汚れていたら、消費者はどう感じるのか。「なんか嫌かも。中に入っているコーヒーも古いんじゃね」などと想像するそうで。そうなってはいけないので、人がこまめに清掃しなければいけないと言っていました。


コインパーキングでのドミナント戦略とは

鹿島: 駐車場も同じで、汚れているか、汚れていないか――。それだけで印象が大きく違ってくるわけですが、トラブルが発生した場合も「人」が対応しなければいけません。

 例えば、料金を支払ったのに、何かの不具合でロック板が下がらないことがある。コールセンターに電話したものの、スタッフが到着したのは1時間ほどたってから。そうなると、お客さまは「この駐車場には、もう停めたくないな」と思いますよね。

 ですので、迅速に対応するにはどうすればいいのか。そのためには、どのように人を手配すればいいのか。駐車場は無人なので、ほったらかしで十分。あとは、お金を回収すれば終わり、といった世界ではないんですよね。

土肥: なるほど。話がちょっと変わりますが、駅前のコインパーキングを見ていると、1社が独占しているところがありますよね。これは、いわゆるドミナント戦略でしょうか?

鹿島: はい。人気エリアでたくさんの駐車場を運営できると、価格をコントロールできるんですよね。例えば、「30分200円」で設定したところを、「20分200円」にしても、稼働率はそれほど変わらない。そのエリアの価格を一気に変更できるので、こうした戦略をとれるんですよね。

土肥: ただ、他社が「30分200円」にすると、利用者は「お、隣の駐車場のほうが安いぞ。こっちに停めよう」となるはず。となれば、稼働率は低下するのでは?

鹿島: 近隣で、たくさんの駐車場を運営している会社が、「1時間200円」にすればどうなるでしょうか。赤字になる可能性はありますが、料金が安いので稼働率が高くなる。そうなると、周辺の他社の駐車場は空いてしまう。この状況が続けば「1時間200円だと赤字になるから、このエリアから撤退しよう」という会社が出てくるんですよね。

土肥: で、他社が撤退したあとに、料金を元に戻すこともあるそうで。こうした動きは、コインパーキング業界では“よくある話”だそうですね。

鹿島: 一部でそうした動きはありますが、そもそもドミナントをつくっていくことが難しいんですよね。人気エリアに、たくさんの駐車場をどうやって確保すればいいのか。先ほど紹介したように、高い金額で落札してしまうと、赤字になってしまうかもしれない。

 あと、土地のオーナーも金額だけではなく、担当者との長い付き合いで決めているケースもある。ですので、ドミナント戦略は簡単にできそうで、なかなか難しい戦略でもあるんですよね。

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