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「うちの部だけ専用の部屋をくれ」 フリーアドレスに対する社員の不安、コスモHDはどう解消した?(4/4 ページ)

コスモエネルギーホールディングスは2025年7月、本社を移転した。移転を単なる引越しではなく“変革の好機”として捉えた同社。新たなオフィスは、社員の交流を生む、新しい働き方を実現するためのオフィスに生まれ変わった。

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エンゲージメント向上に手応え 一方で課題も

 こうして無事にスタートを切ったコスモHDのABW。裏でその仕組みを支えているのが、ITシステムだ。

 会議室や予約席の管理はWebで完結する仕組みを導入。会いたい人を探す時間のロスを減らすために、社員一人一人がICカードとビーコンを保有している。そのため、グループウェアで検索すれば、誰がどこにいるのかがすぐに分かる。また、会議室を全室モニター完備としたことで、以前は当たり前だった“会議には印刷した資料が必須”という文化がなくなり、ペーパーレス化も大きく進んだ。

 新オフィスでは、どのような効果が生まれているのだろうか。入居後1カ月半で行ったアンケートでは「ブランドを感じられるオフィスになった」という評価が最も高かったという。レセプションエリアがコスモらしさを感じられるようになり「お客さまを迎えるにふさわしい空間になった」との声がプロジェクトグループに寄せられている。

 加えて、働く場としても「モチベーションが上がった」「オフィスに来る価値を感じる」と評判は上々だ。「エンゲージメントは間違いなく向上しているはず」と石井氏は話す。

 一方で、これが新オフィスの完成形ではない。もっと社員の利用を促進したいエリアが残っているからだ。例えば、可動式のホワイトボードを動かすと半個室になる「アジャイルエリア」。これまで完全個室の会議室に慣れ切っていた人たちにとって、“誰かに聞かれるかもしれない”状況がいまひとつ落ち着かないようだ。

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可動式のホワイトボードを動かすと半個室を作れる「アジャイルエリア」(提供:コスモエネルギーホールディングス)

 そして、建物の中で過ごす人の健康やウェルビーイングの高さを評価する「WELL認証」の取得を目指す同社では、ジム設備や階段の利活用をもっと促進したいと考えているというが、それもまだ道半ばだ。

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ジム設備(提供:コスモエネルギーホールディングス)
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階段利用を促進するために、イラストを施した(編集部撮影)

 コスモHDの新オフィスのコンセプトは「進化し続けるオフィス」。まだ使いこなせていない場所があるということは、まだ伸び代があるとも言える。

 「オフィスは会社から与えられたキレイな空間ではない。社員がどのように使い、自分たちの力に変えていくかによって、その真価が問われる。オフィス空間の改善を通じて、社員にエネルギーを存分に発揮してもらい、従業員満足度、ひいては企業価値の向上につなげていきたい」(石井氏)

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