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大幅赤字→創業者復帰→業績が回復 “290円ラーメン”の呪縛にずっと苦しんでいた「幸楽苑」に何が起きているのか(4/4 ページ)
「290円」という低価格で支持を集めた幸楽苑は、一時期業績が悪化したものの、社長の交代によって復活した。同社のこれまでを振り返る。
新社長の下で500店舗体制を目指す
幸楽苑は2024年度から非連結決算を採用しているが、非連結化前の基準で2025年3月期の売上高は前年比10億円増の約278億円となり、営業利益も前年の3300万円から10億円超に増えた。2026年3月期は以前の基準で売上高290億円、営業利益13億円を予想している。
以前から続けている不採算店の閉店や段階的な値上げによる影響が主要因と考えられるが、傳氏の体制では新メニューの拡充も進んだ。2023年度以降、定食メニューを拡充したほか、ディナーセットを「中華ダイニング」にリニューアルし、麺類以外のセットメニューを増やした。こうした施策により、昼と夜の売上構成比は6対4から5対5に変化したという。客数も、2024年3月期は2020年3月期比で7割ほどだったが、翌年度以降の客数推移を加算すると現時点で9割水準まで回復している。
ただ、創業者の傳氏は81歳と高齢。6月には非創業家で専務の芳賀正彦氏が社長に就任する予定だ。芳賀氏は東北を中心に総店舗数500店舗を目指すと語っており、過去の失敗を踏まえ遠方への出店は控え、既存商圏の東北・関東で店舗網を強化する構えだ。駅前出店も模索するといい、今後の動向は芳賀氏の手腕にかかっている。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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