クボタ「4割減」、三菱電機は「2割減」 新卒採用は今後減っていくのか?(1/2 ページ)
クボタは人員の充足により、新卒採用を前年と比べ約4割減らす。三菱電機も2割減、JR東海は駅員などの現場業務職を前年度に比べて4割減らす。この人員削減の波は、新卒採用にも影響を及ぼすのだろうか。事務職や文系学生向けの求人が今後減っていく可能性はあるのか。
大手を中心に、新卒採用の削減を表明する企業が相次いでいる。
クボタは人員の充足により、新卒採用を前年と比べ約4割減らす。三菱電機は2割減、JR東海は駅員などの現場業務職を前年度に比べて4割減らす。
背景にあるのは、生成AIの普及による業務効率化や、事務作業などの自動化だ。SNSなどでは、ホワイトカラーと呼ばれるデスクワーク中心の働き手の人員が減らされるのではないかという議論も広がる。
この人員削減の波は、今後の採用活動にどう影響を及ぼすのだろうか。事務職や文系学生向けの求人が減っていく可能性はあるのか。
新卒採用は減っていくのか?
「企業ごとにケースバイケースではあるものの、前年と同じ規模で採用を継続する企業が多いというのが近年のトレンドです」
こう話すのは、就職情報会社マイナビの長谷川洋介さん(キャリアリサーチLab研究員)だ。
同社が今年1〜2月に全国約1600社から回答を得た調査結果によると、27年卒の採用予定数は新卒全体、文系、理系のいずれのカテゴリーにおいても「増やす」と答えた企業が減少し「前年並み」が増加した。上場、非上場を問わず、同様の傾向が見られた。
さらに、AIの浸透が採用計画に与える影響については、9割が「採用数は変わらない」と回答するなど、意外な結果が浮かび上がった。
事務職を今後10年で最大5000人削減する方針だと報じられたみずほFGの例のように、金融業界やソフトウェア業界では、採用を絞る動きが見られるものの、全体的な傾向としては前年を踏襲する「現状維持」が6割前後で大きなボリュームを占める。
こうした「現状維持」の背景にあるのが、低下の一途をたどる採用充足率だ。
マイナビによれば、企業が計画していた採用予定数に対して、実際にどれくらいの内定者(入社予定者)を確保できたかを示す採用充足率は、26年卒で69.7%(前年比0.3ポイント減)となり4年連続で減少。採用スケジュールが変更された17年卒以降、過去最低となった(※)。
「これ以上採用の目標数を増やしたところで、多分採れないだろうという判断が企業側でなされたのではないか。拡大路線ではなく、採れる分を確実に採っていこうという考えでしょう」(長谷川さん)
採用を「減らす」と答えた企業は?
一方で、新卒採用を「減らす」と回答した企業も7%前後存在する。
こうした企業の特徴として、採用予定数を決めるために「配属先となる現場部署の意見」を重視する傾向が見られるという。
「現場でDXや生成AIの活用が進んだ結果、業務が効率化され、以前ほどの人数を投入しなくても業務が回るようになった。そうした現場の声を経営側が吸い上げ、採用計画に反映させているケースです」(長谷川さん)
他方で、初任給の引き上げや、一人あたりの採用コストの高騰など、財務的な理由から採用人数を抑えざるを得ない企業も存在するようだ。
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