「えっ、ここに泊まるの?」函館駅の線路脇に客室 “建てないホテル”はなぜ成立するのか(1/3 ページ)
JR函館駅の線路脇に設置された宿泊施設「JRモバイルイン函館」。建物を建てずトレーラーハウスを置くことで、通常はホテルが難しい場所でも営業を可能にした。南極で培われた技術を活用し、「泊まる場所」の新たなあり方を提示する。
「えっ、ここに泊まるの?」と思わず、つぶやいてしまうような宿泊施設がじわじわ増えている。
例えば、羽田空港の滑走路の近くにある「羽田 エクセルホテル東急」。客室の窓から飛行機が発着する様子を眺められるので、その距離感にびっくりする人も多いはず。また、本棚に囲まれて眠ることができる「BOOK AND BED TOKYO」(東京都港区)。「泊まれる本屋」がコンセプトで、館内のいたるところに本がズラリと並んでいる。
このほかにもユニークなホテルはたくさんあるが、「泊まる」という行為そのものは、まだまだ”建物”ありきである。立派な外観、非日常感が漂うロビー、洗練されたフロント。そうした前提があるからこそ、立地も建て方も限られてきた。
その前提を、少しだけ横にズラした宿泊施設がある。JR北海道・函館駅のすぐ隣に設置した「JRモバイルイン函館」だ。1月31日にオープンしたところ、利用者がじわじわ増えているという。
窓の外には駅のホームがあるので、停車中の車両が見える。一方、駅の反対側には、転車台がある。車両の向きを変えるための設備で、鉄道ファンであれば、思わず身を乗り出したくなるロケーションである。
この宿泊施設の最大の特徴は、建物が、いわゆる建物ではないことだ。
客室には、トレーラーハウスを使っている。2台のユニットを連結し、L字型に配置。中でも目を引くのが、くっついている部分だ。鉄道車両同士をつなぐ際に使われる“幌”のような構造になっている。
この部分には、ダイビングなどで使われるウエットスーツの素材を応用している。2台のユニットをファスナーでつなぎ合わせることで、外気をしっかり遮りながらも、しなやかな動きに対応する構造を実現した。強度と快適性を両立させた、ユニークな仕組みである。
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