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「えっ、ここに泊まるの?」函館駅の線路脇に客室 “建てないホテル”はなぜ成立するのか(2/3 ページ)

JR函館駅の線路脇に設置された宿泊施設「JRモバイルイン函館」。建物を建てずトレーラーハウスを置くことで、通常はホテルが難しい場所でも営業を可能にした。南極で培われた技術を活用し、「泊まる場所」の新たなあり方を提示する。

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なぜトレーラーハウスなのか

 客室のテーマは「函館クラシックモダン」。どこか寝台列車のような雰囲気があって、窓の外に実際の列車が見えるので、ちょっとした“旅情”を感じる空間になっている。

 客室にはベッド、ソファ、シャワー、トイレがあって、広さは25平方メートルほど。最大4人まで宿泊でき、料金は1室2万5000円ほどから(時期によって変動)。数字だけ見れば、一般的なホテルと大きくは変わらない。


バンクベッドを備えたリビングルーム

寝台列車を思わせるベッドルーム

 それにしても、なぜトレーラーハウスなのか。「函館の駅チカなんだから、大きな建物を建てて、客室を増やしたほうがもうかるでしょ」などと思われたかもしれないが、この形態を採用した理由は2つある。

 1つめは、立地だ。駅のすぐ横で線路に近い土地は、通常の建物を建てるには制約が多い。安全面などの問題もあって、ホテルをつくるにはさまざまな条件がある。そこで発想を変え、「建てる」のではなく「置く」という考えを採用した。移動可能なトレーラーハウスであれば、建築物としての扱いではなくなるので、この場所でも宿泊施設として成立するのだ。

 使いにくかった場所に、泊まれる理由をつくる。そんな逆転の発想でもある。


リビングルームの窓から

洗面スペース

 もう1つは、性能だ。トレーラーハウスと聞くと、安っぽくて、暑さや寒さに弱いイメージがあるかもしれない。しかし、この宿泊施設で使われているのは、ミサワホームが開発した「MOVE CORE(ムーブコア)」というユニットだ。

 ムーブコアの特徴は、一般的な住宅と同じレベルの断熱・気密性能があること。「函館の冬は氷点下になることも多いが、室内は安定した温度を保つことができる。気密性も高いので、駅に隣接しているにもかかわらず、列車の走行音もほとんど気にならない」(ミサワホームの北川順さん)という。

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