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再就職支援会社への「丸投げ」でいいのか シニア社員を送り出す人事が「すべき仕事」(1/3 ページ)

早期退職者を募集する企業が増えている。シニア退職者のその後の支援について、人事担当者はどこまで気をまわしているか。退職後の実態を解説する。

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 早期退職制度を実施する大企業が増えている。希望者には割増退職金に加え、大手の再就職支援サービスがパッケージとして提示される。退職者のその後のキャリアについて「再就職支援会社に任せているから大丈夫」と考えている人事担当者は少なくないだろう。

 だが、その実態はどうか。再就職支援の現場は、理想とはかけ離れているケースも散見される。これまで3000人以上のシニアのセカンドキャリアを支援してきた立場から、シニア社員を社外に送り出す際に人事担当者が意識すべきことを解説する。


再就職支援の現場の実態は?(画像:ゲッティイメージズより)

再就職支援会社のビジネスモデルにある「落とし穴」

 再就職支援の特徴の一つは、社員個人では申し込めないという点だ。職業安定法により、個人から金銭を受けて就職支援を行うことが禁じられているため、法人契約のみとなる。支援期間は1年間が一般的で、企業は従業員1人当たり数十万円を支払う。

 依頼人数が多ければ割引価格も適用される。筆者のヒアリングベースでは1人当たり50万〜60万円が相場だが、3000人の再就職支援者を依頼した場合、1人当たり30万円程度まで下がることもあると聞く。3000人×30万円で9億円、というように一括で受注する仕組みだ。

 問題はここにある。再就職支援会社は報酬を前払いで受け取るため、その後のサービスの質を高めるインセンティブが構造的に生まれにくい(もちろん最後まで丁寧に支援する企業もある)。

 さらに、なるべく早く決めさせようとする力学も働く。一見良いことのように思えるが、時間をかけてより良い企業を探すよりも、期待値を下げさせて早期に決着させる方向に傾きやすい。

 その結果、キャリアコンサルタントの人数は極限まで絞られ、面談の回数も最小限、就職支援セミナーの講師も費用を抑えた人選となる。結果的に、サービス品質の低下は避けられない。

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