再就職支援会社への「丸投げ」でいいのか シニア社員を送り出す人事が「すべき仕事」(2/3 ページ)
早期退職者を募集する企業が増えている。シニア退職者のその後の支援について、人事担当者はどこまで気をまわしているか。退職後の実態を解説する。
「9割以上が再就職」という宣伝文句を鵜呑(うの)みにしていないか
再就職支援会社は「1年以内のセカンドキャリア決定率9割以上」といった数字を前面に出して営業をすることが多い。
100人を支援すれば90人以上は決まる計算だ。人事担当者がこの数字を見れば「十分だ」と思うだろう。
しかし、この数字の中身を精査している人事担当者は多くない。筆者がシニアの支援現場で感じるのは、この数字が額面通りの意味を持っているのか、という疑問だ。
そもそも「退職者の次の就職先」「年収の下がり幅」「決定率9割の定義」といった結果に関するフィードバックを受けていない人事担当者が非常に多い。数字の裏側を確かめていない状態で「9割以上が決まっているなら大丈夫」と安心しているのが現実だ。
では、再就職支援の中で実際に何が行われているのか。
1人に専属のキャリアコンサルタントが付き、定期的に面談をして、求人情報をメールで送る。ここまでは悪くないように聞こえる。しかし、実態としては、キャリアコンサルタント1人当たりの担当人数が多く、面談は月1回程度というケースも珍しくない。
シニア人材の多くが期待しているのは「自分に合った求人を用意してくれて、何度も面談もセッティングしてくれて、2〜3社の内定から選べる」というサービスだ。一方で、担当のキャリアコンサルタントからは「年収の期待値をとにかく下げてください」「とにかくたくさん応募してください」と言われ続ける。年収1000万円だった人に対しても同様だ。書類作成の代行もしてくれない。応募も自発的に動くことが求められる。
さらに、独立という選択肢はまず提示されない。再就職支援会社にそのノウハウがないからだ。また、独立という選択肢を提示することで、ネクストキャリアが決定するまでの期間が長期化することを避けたいという事情もある。目線を下げさせて、条件の厳しい求人までも候補として渡して「あとは自分で応募してください」これが「支援」の実態だ。
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