ChatGPTユーザーが陥っている”落とし穴” ビジネスで差をつけるAI対話力の磨き方(2/4 ページ)
生成AIの登場により、ビジネスパーソンの行動プロセスは大きく変化した。検索という行為そのものが不要になってきている今、自分で考える姿勢を持てないビジネスパーソンが増えている。これからのAI検索時代に自分で考える姿勢を培うため必要な「3つのR」とは?
聞けば答えが返ってくるAI検索
現在、AIは究極の教師とも言える存在だ。24時間365日、嫌な顔一つせず、何でも即答してくれる。”ググる”時代のようにSearchしなくても、すなわち歩き回らなくても、答えを教えてもらえる時代が来た。言わば、現在のAI時代は「Teachの時代」だといえる。
Teachの語源は「こっちだよ」と一方向に「指差す」こと。検索時代のように、歩き回る必要はなく、指差された方を見ればいい。AIはまさにこの指差しを、圧倒的な速度と無限の引き出しでこなしている。
ここには良くも悪くも、検索時代のような回遊性はない。実際に、1万3252件のChatGPT会話を分析した調査(WebFX "Inside 13,252 ChatGPT Conversations: What AI Use Really Looks Like")によれば、1会話あたりの平均メッセージ数はわずか1.7通だという。
もっとも、会話のラリーを多く重ねているユーザーも存在するが、大半は、AIに質問し、答えを受け取り、そのまま去っていくのみ。同調査はこの傾向を「多くのユーザーがChatGPTを『超高性能な検索エンジン』として扱っている」と表現している。
“ググる”時代では、検索結果の1件目だけを見て、求めた答えにすぐ辿り着くとは限らなかった。2件目、3件目とページを見ていく中で思考が深まったり、思わぬ発見があったりした。AIの1.7ラリーは、この過程を大幅に効率化した一方で、Searchという過程そのものは、失われつつある。
もちろん、こうしたAIの使い方が悪いわけではない。むしろ、聞けば答えが返ってくるのはAIの真骨頂であり、使わない手はない。問題は、Teachだけで完結してしまっていることにある。本来、ビジネスにおいて私たちが向き合っているテーマは、1ラリーで解決できるような単純な問題だけではないからだ。
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