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民泊はなぜ地域と共存できないのか 拡大の裏で起きている構造欠陥(3/4 ページ)

「民泊トラブル」の本質は、「オーナー不在」が招く構造的欠陥の賜物だ。行政は一刻も早く本来の趣旨に立ち返って、地域に対する社会的責任を果たそうとしないオーナーと、それを助長する事業者の排除に取り組んでもらいたい。

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4. 限界を迎えた「特区民泊」の聖地・大阪

 こうした住民の苦情の多さに、ついに自治体も動き出した。全国に先駆けて「特区民泊」を推進し、現在では全国の特区民泊の約9割を占めるまでに至った大阪市が、ついに新規受付の停止を決定したのである。

 大阪市はこれまで、民泊を観光戦略の柱として積極的に受け入れてきた。しかし、積み重なった住民からの悲鳴に近い苦情は、もはや行政としても無視できないレベルに達したのだ。

 既存の施設が即座に閉鎖されるわけではないにせよ、この方針転換は「無秩序な拡大路線の終焉」を象徴している。今後、全国的に民泊への逆風はますます強まることが予想される。

5. 生き残るべき民泊の条件とは

 一方で、すべての民泊を排除すべきだと言っているわけではない。民泊の中にも地域と共生しようとし、持続可能なモデルを模索している事業者は存在する。

地域マネージャーという「橋渡し役」

 例えば、事業化された民泊であっても、地元に必ず問い合わせ窓口を設け、住民とのパイプ役となる「地域マネージャー」を配置しているケースがある。彼らは何かあればすぐに現場に駆けつけ、宿泊客に日本の生活ルールを直接指導し、住民の声を運営に反映させることができる。

 こうした「顔の見える管理体制」を構築している事業者であれば、地域社会の一員として受け入れる余地は十分にあるだろう。

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