ライザップ、建設業に参入 1年で1000店増「チョコザップ」モデルを横展開 勝算は?
フィットネスジムなどを運営するRIZAPグループが、建設事業に参入する。コンビニジム「chocoZAP」の出店ノウハウを生かすという。勝算はどこにあるのか。
フィットネスジムなどを運営するRIZAPグループ(東京都新宿区)は4月14日、建設事業に参入すると発表した。同社はコンビニジム「chocoZAP」(チョコザップ)を、1年で1000店舗以上開業している。chocoZAPのスピード出店を実現したノウハウや建設アセットを活用し、物件選びから設計、資材の調達、施工までワンストップで担う。
同事業は、グループ企業のRIZAP建設(東京都新宿区)が手掛ける。本格参入を前に、2025年10月から半年で186件の施工を実施し、約30億円を売り上げた。約30億円の売り上げになったといい、RIZAPグループの瀬戸健氏(代表取締役社長)は同日の発表会で「年間60億円の売り上げを目指す」と意気込んだ。
1年で1000店舗増やした「chocoZAP」モデル 建設業界で通用するか
建設事業参入の足掛かりになったのが、chocoZAPの成功だ。chocoZAPの店舗数は累計1900店を超え(2026年3月時点)、2023年1月から2024年1月にかけて1030店舗をオープンした。こうしたスピード出店を実現するため、同社は「建設資材の高騰」「人材不足」「多重下請け構造」という建設業界の3つの課題解決に取り組んだ。
「建設資材の高騰」に対しては、製造工場と直取引する複数のルートを確保してコストを削減。「人材不足」は、職人を同社が直接雇用することで対処した。さらに「多重下請け構造」を回避するために、電気、水道、内装など施工場所ごとに専門業者と契約する直接分離発注によって中間マージンを排除した。
chocoZAPの規模の店舗は、物件が決まってから出店までに3〜4カ月かかるという。しかし前述の取り組みによって、chocoZAPの店舗を1.5〜2カ月でオープンさせられた。さらに施工費用を25〜30%することに成功。この建設モデルを、RIZAP建設が顧客に提供する。
工場との直取引や中間マージンの排除といったやり方は、既存の施工業者から反発される可能性もある。RIZAP建設代表取締役社長の幕田純氏は次のように話す。
「従来はchocoZAPの施工全てを1社に依頼していました。しかし中堅工務店は、資材の調達にかかる持ち出しや資金調達が大きな負担になっています。当社は資材や家具などを提供するため、中堅工務店側は調達の負担を減らしつつ利益を得られるため『バランスが良い』といった評価の声が寄せられています」(幕田氏)
RIZAP建設は、まずは内装工事業からスタートする。対応できる領域を広げていき、将来的には躯体(くたい)工事なども手掛けたいと瀬戸氏は話す。chocoZAPのスピード出店で培ったノウハウを武器に、異業種へ参入するRIZAPグループ。RIZAP建設の挑戦は、“建設革命”を起こせるか。
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