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ゲーム会社ではなく、もはや投資ファンド? コーエーテクモ決算から読み解く「資本配分」の在り方古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(2/2 ページ)

コーエーテクモが「ゲーム会社を装った投資ファンド」だと揶揄(やゆ)されている。

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ゲーム会社が投資で本業より稼ぐのはおかしいのか

 バークシャーはこれまで繊維業から保険・金融へ業態を広げてきた。その過程で、本業が不明瞭であるといった批判や、現金をため込まず配当で返せという趣旨の批判にさらされていた経緯もある。

 配当については1967年に支払って以降、無配方針を貫いている。2014年の株主総会では株主から「意味のある配当を出せ」とする株主提案が提出されたが、バフェット氏は一貫して「内部留保を自ら再投資したほうが株主により高いリターンを生む」と反論してきた。

 コーエーテクモへの評価軸も、短期の整合性で批判するか、長期の複利装置として読むかの二択に集結する。

 コーエーテクモは2025年2月に運用機能を集約した子会社「コーエーテクモコーポレートファイナンス」を新設し、襟川名誉会長が代表に就いた。襟川名誉会長の頭にある運用ルールを明文化・構造化することで、投資パフォーマンスの属人化を避け、組織のノウハウとして再設計する動きが進行中だ。

 バークシャーも2026年1月1日付でバフェット氏がCEOを退任し、グレッグ・アベル氏が就任している。創業者の投資センスを組織化するというテーマを、くしくもほぼ同時期に実施しているのだ。

 「ゲーム会社が投資で本業より稼ぐのはおかしい」という感覚も一理ある。コーエーテクモの損益計算書をエンタメ業界の枠で採点すれば、確かにいびつだ。

 だが、その内実をキャピタル・アロケーション(資本配分)の設計図として読めば話は違ってくる。

 「ゲーム会社が投資で本業より稼ぐのはおかしい」という感覚で企業を斬るなら、同じ論法でバフェットも繊維会社の不良経営者として歴史に名が残っていたはずである。そうならなかったのは、市場が半世紀かけて彼の資本配分の設計図を読み解いたからではないだろうか。

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