なぜ、ビジネスホテルは「寝る場所」→「癒しの空間」に進化した? “ビジホ飲み”人気急上昇の背景(5/6 ページ)
ビジネスホテルの用途が大きく変化し、「ビジホ飲み」の人気が急上昇している。そもそも、ビジネスホテルはどのように誕生し、どう進化してきたのか?
各ビジネスホテルの立ち位置
では、これらの主要ビジネスホテルは、宿泊業界にどのような変化をもたらしたのでしょうか。
まず、主要ビジネスホテル運営企業の売り上げと施設数を見てみましょう。ビジネスホテル業界の圧倒的リーダーはアパホテルです。1000施設以上を展開し、国内最大のホテルチェーンとなっています。それにルートイングループ、東横インが続く状況です。各社の業績はいずれも好調で、インバウンド増加と客室単価上昇によって好業績を維持しています。
各社の立ち位置はどうなっているのでしょうか。
このマップを見ると、日本のビジネスホテルは大きく3つに分かれます。
まず東横インやルートインは、駅前・均質・安心の低価格・標準化モデルです。出張者が宿泊で失敗しにくいことが価値であり、特別な体験は少ないものの、出張族にとっては欠かせないビジネスホテルです。
アパホテルは標準化された運営を大前提に、チェックイン・アウトの手間を極力排除し、都心立地・高機能・高密度(省スペース)で、需要に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングを導入。収益性の高い事業モデルを確立しました。
ドーミーインやスーパーホテルは、ビジネスホテルに「ロハス(健康と環境に配慮したライフスタイル)」「健康(睡眠、入浴)」といった体験を持ち込み、ビジネスホテルの価値を高めました。
このように、日本のビジネスホテル市場は依然として国内チェーン優勢です。一方、外資系ホテルチェーンも、近年は中価格帯・セレクトサービス型ビジネスホテルへの参入を始めています。
先行例として、米チョイスホテルズのようなコンフォートホテル系が日本のビジネスホテル需要に深く入り込んでいます。また、近年は米マリオット・インターナショナルが「フォーポイント フレックス by シェラトン」で日本の既存ビジネスホテル市場に本格参入し、14施設・3600室超の展開を進めています。英IHGホテルズ&リゾーツの「ホリデイ・イン エクスプレス」なども少しずつ増えています。
外資系の日本市場戦略は1泊数十万円の都心の高級ホテル開発が目立っていましたが、今後はより実需に近く、幅広い客層が見込めるビジネスホテル開発が増えてくる可能性があります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜアパホテルは「同じ部屋で4倍の価格差」で、東横インは「連休でも値上げしない」のか
同じ部屋でも週末には価格が3〜4倍以上に跳ね上がる場合もある「アパホテル」に対し、土日や繁忙期でも価格の上限を守る「東横イン」。ホテル大手2社のターゲット層の違いから、価格戦略の狙いをひもとく。
出張族が悲鳴! 都内ホテル「1万円の壁」どころか2万円台へ なぜこんなことになるのか
都内のホテル価格が「1万円の壁」を超えて久しい。今後はさらなる価格上昇もあり得そうだが、一体なぜなのか。あらためて分析する。


