「女性にポケットはいらない」という思い込み ニッセンの“8ポケット付き”ジャケットがヒットしたワケ:テストマーケティングから見るプロダクトの近未来(1/2 ページ)
女性は服のシルエットが崩れるためポケットを使わず、小物はバッグなどに入れて持ち運ぶものだという、作り手側の“常識”を破った本商品。どうやって生まれたのでしょうか。
「テストマーケティングから見るプロダクトの近未来
企業の新商品・サービスの挑戦を支援するプラットフォーム、Makuake。ここでは日夜、新たなコンセプトを持った商品が企画され、ユーザーの厳しい目にさらされている。多くの支持を集めた商品にはどのような特徴があるのか。本連載では既に終了したプロジェクトを振り返り、成功の要因からプロダクト開発の近未来を探る。
働く女性の服にはなぜポケットが少ないのか。これは、多くの女性が抱き続けてきた、素朴で、しかし極めて切実な不満です。
男性用のスーツにはスマホや名刺入れ、ペン、財布を収納できる内ポケットが当たり前のように備わっています。一方で、女性用のジャケットやパンツはどうでしょうか。ポケットが全くないか、あっても指先が入る程度の浅いもの、あるいはシルエットを崩さないための「飾り」であることが珍しくありません。
そこには、アパレル業界における「美しさのためには機能性は二の次でいい」という固定観念がありました。女性は服のシルエットが崩れるためポケットを使わず、小物はバッグなどに入れて持ち運ぶものだという、作り手側の“常識”がありました。
応援購入サイトMakuakeで発売したニッセンの「手ぶらセットアップ」シリーズは、その常識に真っ向から挑戦しています。「手ぶらジャケット」には、外ポケットが2つ、内側に大容量の「デカポケット」、ファスナー付きポケット、胸ポケット、名刺ポケットなど合計8つのポケットが備えられています。
また、多くのポケットが付いているというだけでなく、綺麗なシルエットもキープできるというアプローチで支持を集め、第1弾・2弾の2商品で累計1500万円近く購入されました。
著者プロフィール:朝倉亮
株式会社マクアケ キュレーション局 キュレーター
鳥取県出身。それぞれ100年以上続く木工所と農業関連の企業を営む両親の元で生まれる。株式会社マクアケ入社後、キュレーターとして数多くのプロジェクトに携わる。
2021年10月より中四国拠点の責任者として、主に中四国地域のプロジェクトサポートを行う。
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