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「売れるモノ」にしかない秀逸コンセプトをつくる、4つの“勝ちパターン”(1/2 ページ)

話題の商品や著名タレントなど「売れるモノ」は、秀逸なコンセプトを持っている。それらに共通する「コンセプトの4類型」を解説する。これを押さえれば“刺さるコンセプト”が作れるという。その中身とは?

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この記事は、『世界はコンセプトでできている(篠崎友徳(※「崎」は「たつさき」)著、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


世界はコンセプトでできている

「好評だったプレゼン」「売れている商品」「成功したビジネス」――こうした成果の裏側にあるのが「優れたコンセプト」だ。本書は、5年間で売り上げ100億円を超えた商品の開発に携わった著者が、コンセプトの役割や作り方を解説する。


 話題の商品も、いつも行列のあのお店も、月額課金しているサービスも、インターネットで再生数を稼いでいる動画も、著名タレントやアーティストも――「売れるモノ」は「優れたコンセプト」を持っている。

 前回の記事では「暮らすように旅をする」というコンセプトを掲げた民泊プラットフォーム「Airbnb」(エアビーアンドビー)の事例を基に、コンセプトの存在価値を考えた。

 では、コンセプトを短く強く、一言で伝わる言葉にまとめるにはどうすればいいのだろうか。クリエイティブディレクターとしてコンセプト開発を手掛ける篠崎友徳氏(※「崎」は「たつさき」)は、そのモノの持つ価値を端的に表す言葉の「つくり型」をいくつも持っている。同氏が執筆した書籍『世界はコンセプトでできている』から「ひとことコンセプト」のつくり型について解説する。

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写真はイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

「売れるモノ」に共通する秀逸コンセプトをつくる、4つの“勝ちパターン”

 秀逸なコンセプトを作るためのパターンはたった4つです。1つ目は「進化型」のコンセプト。既存の常識を、次のステージへ進化させるような言葉のつくり型です。

 基本形は「進化前の価値」から「進化後の価値」へ

 作り方は簡単。進化前の価値の部分に「今、価値を持っているもの」を入れ進化後の価値の部分に「ワクワクする価値」を入れるだけです。

 こうすることで「このコンセプトが実現したい変化は、単なる改善やレベルアップではなく、常識を塗り替える革新的なものなんだ」「そこには物語がありそうだ」といった印象を与えられます。

 例えば「『働きがい』から『生きがい』へ」というコンセプト。これはまさに「進化型」のコンセプトです。

 今、価値を持っているものとして「労働を義務と感じない、働きがいのある職場」を提示した後に、「ワクワクする価値」として「働くことと人生が重なり、生きがいになる」という新しい視点を提示しています。

 このような「今ある価値が、ワクワクする価値に進化する過程」を見せることで、仕事は「『働いて収入を得ること』から自分らしく生きる時間へ進化する」というメッセージを強烈に印象付けています。

 進化型のコンセプトには、他にも以下のようなものがあります。

ボディーソープのコンセプト

体を洗うことは、自分を見つめ直して愛せる時間へ進化する。
→「清潔」から「自信」が生まれるボディーソープ

ホステルのコンセプト

ただ泊まって寝るだけでなく、そこに人との出会いや、地域ならではの体験があることで、価値ある時間に進化する。
→「泊まる場所」から「出会う場所」へ

食品のコンセプト

味がおいしいことは、人の笑顔を生み出す時間に進化する。
→「おいしさ」から「よろこび」へ

アパレルのコンセプト

着飾ることは、自分らしさを探す時間に進化する。
→「ファッション」は「アイデンティティー」になる


 このように「劇的な変化を見せる」ことは、強力なコンセプトの代表的なパターンになります。

「老いを美しさに」は、逆転型コンセプト

 2つ目は「逆転型」のコンセプト。既存の常識を全く逆の方向にひっくり返す言葉のつくり型です。

 逆転型のコンセプトは、これまで常識だと思っていたものがひっくり返るだけに、インパクトが大きく、強いコンセプトになります。

 基本形は「正方向の価値」を「逆方向の価値」に

 作り方は正方向の価値の部分に「一般的に価値を持っているもの」を入れ逆方向の価値の部分に一般的な価値とは「逆方向の価値」を入れるだけです。

 こうすることで「このコンセプトが実現したい変化は、既存の価値とは180度異なる全く新しいものなんだ」というインパクトを与えられます。

 例えば「『学び』を『遊び』に」というコンセプトは、この「逆転型」のコンセプトに当たります。

 一般的な価値として「学びとは、真面目にきちんと勉強すること。頑張れば頑張るほど、能力が伸びる」というものがあります。

 それに対して「遊びを通して楽しく学べば、学習意欲も高まり、能力も伸びる」という視点をこのコンセプトは提示しています。

 このような「今ある価値が、180度別の価値に変わる提案」を通じて「学びとはただ勉強することではなく、逆の視点から見ると遊びから生まれる気付きもある」というメッセージが伝わってきます。

 逆転型のコンセプトには、他にも以下のようなものがあります。

コスメのコンセプト

老化は衰えではなく、逆の視点から見ると、若さから解放される美しさ。
→「老い」を「美しさ」に

清涼飲料のコンセプト

汗は不快な老廃物ではなく、逆の視点から、見ると体に必要だった成分。
→「汗」を「補給する」サプリメントウオーター

家電のコンセプト

家事は義務でやるものではなく、逆の視点から見ると、ひとときの感性の時間。
→「家事」を「おしゃれ」にする、スマート家電


 このように「180度異なる変化を見せる」ことは、強力なコンセプトの代表的なパターンになります。

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写真はイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

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