なぜ、羽田空港に「文具の自販機」? コクヨの実証実験が示す、新しい売れ方(1/2 ページ)
コクヨが羽田空港直結の商業施設内で展開する「文具の自販機」が面白い。文具は目的買いが一般的な商材だが、どういった理由でどんな人が買っているのか?
羽田空港の国際線ターミナルに直結する商業施設「羽田エアポートガーデン」内に、一風変わった自販機がある。コクヨが運営する、同社の文具を購入できる「IoT自販機」だ。2023年1月に、同社の直営店舗内に設置された。
購入できる商品は4種類で、「スペシャルボックス」(3000円)は、人気文具を詰め込んだセットになっている。
「マニアセット(キャンパスノートセット)」(1000円)は、A7サイズからB6サイズまでのキャンパスノートや、キャンパスノートのために作られた修正テープとふせんが入ったセット。キャンパスノートのこだわりを紹介する図解ポスターも付いてくる。
「マニアセット(ドットライナーセット)」(2000円)はさまざまなタイプのテープのり「ドットライナー」が入ったセットで、それぞれの違いやラインアップを紹介する図解ポスターも同封した。
一番人気の「シークレットセット」は、キッズ向け(2500円)やジュニア向け(2000円)から、通常版(2000円と5000円)まで幅広いラインアップを用意。中身は開けてみるまで分からない仕様だ。
文房具は「なくなったら、必要になったら買いに行く」という目的買いが多い商材だが、なぜ「文具が買える自販機」を設けたのか。また、どういった層が購入しているのか。
設置の理由について、同社の担当者は「IoT自販機は『文具の目的外購入を促す実証実験』と『文具との偶然の出合いを提供する』という2つの狙いから設置しました。自販機で販売する商品の価格を遠隔で操作できる他、売り上げなどのデータもリアルタイムで取得できるため、施策に対する反応の検証をスピーディーに行うことができます」と説明する。
自販機にはデジタルサイネージと大型の液晶タッチパネルを搭載しており、商品のラインアップや文具の魅力、使い方を画像や動画を用いて消費者に示している。さらに購入商品が出てくるまでに映像や音楽を流すなど、購買体験そのものを楽しめる設計にした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
10月下旬、なか卯での「床に置かれた食器」の写真がSNSで拡散された。その後のなか卯の対応が適切だったようには感じない。では、どのような対応が求められるのか?
「聖地巡礼に来ました」 なぜ、セブン‐イレブン津田沼店に全国から日本酒好きが集まるのか
日本酒好きから「聖地」と呼ばれている「セブン‐イレブン」が千葉県にある。どんな店なのか?
66.6億円の大赤字から4年で最高益へ 「ぴあ」は何を変えたのか?
コロナ禍の2022年度に「66億円」もの赤字を計上した、ぴあだったが、そこから逆転し、4年で最高益を記録する。同社のV字回復の要因を解説する。
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
Tシャツなどのオリジナルプリントグッズの製作を展開するフォーカスは2020年のコロナ禍、倒産の危機に陥った。しかし現在はV字回復を果たし、売り上げは約38億円に上る。この5年間、どのような戦いがあったのか?
「予約を全て止めてください!」 老舗酒造で起きたミスから生まれた「日本酒」なぜヒットしたのか?
300年続く酒蔵の「特別な日本酒」を襲った製造ミス。廃棄ではなく「正直に出す」ことを選んだ結果、失敗は物語となり、そこから想定外のヒット商品が生まれた。

