DeNA南場会長、背水の社長復帰 3年で挑む“AI全振り”と「市場の低評価」からの決別
南場氏は6月27日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に復帰する。南場氏が、今このタイミングで「社長復帰」というカードを切った理由とは。
「資本市場から成長企業と見られているのかどうか、非常に悔しい」──5月12日に開催した決算発表説明会において、ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)創業者で、会長を務める南場智子氏は、こう吐露した。
南場氏は6月27日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に復帰する。現社長兼CEOの岡村信悟氏が会長に就任するという。
2025年3月期からの中期戦略で掲げた「構造的なROE8%」を達成したものの、DeNAの株価は停滞し続けている。南場氏が、今このタイミングで「社長復帰」というカードを切った理由とは。そこには、AI活用によって生産性向上を成し遂げたものの、それを「稼ぐ力」へと転換しきれない組織のジレンマがあった。
社長復帰の一方、「早くトップを脱したい」という思いも
同日発表した決算によると、DeNAの2026年3月期の売上収益は1477億円。2027年3月期の売上収益は1540億円を見込む。メガヒットとなったスマホ向けアプリ『Pokemon Trading Card Game Pocket』(ポケポケ)の反動減という「向かい風」を織り込みつつも、ヘルスケア・メディカル事業の黒字化や、AI活用によるコスト構造改革によって、次なる成長への投資を継続する構えだ。
南場会長が社長に復帰する背景とは
南場会長: 岡村社長と2人で意思決定をする中で、組織の自律性が高まり、大きな変化を起こすなら機が熟した今だと考えた。
現在、株価は横ばいで推移しており「コングロマリット・ディスカウント」の状態にある。新しいことに挑戦し続け「コングロマリット・プレミアム」に生まれ変わることで、もう一度成長企業と見ていただけるようなDeNAにしたい。
社長在任期間の目途は
南場会長: 組織改革を3年でやり遂げたいと考えている。その後はピラミッド型のCEO組織ではない形態も含め、状況に応じて検討していく。人材は育っており、早くトップを脱したいという思いもある。
AIオールイン施策の現状は
南場会長: 生産性向上という点では非常に手応えがある。同じタスクにおいて、人の関与が10%まで減ったり、AIを前提に業務フローを組み替えることで大幅な効率化を実現したりしている。
一方で、そこから浮いた人材を収益事業にシフトするスピードがまだ十分ではない。第2四半期から人材のシフトを始める必要がある。
南場氏はDeNAを「新しいことに挑戦していないといられないチーム」と評した。創業者が改めて率いる3年間に注目だ。
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