「ナフサ不足」、調達状況はかなり改善 三井化学CFOが語る見通し【要点まとめ】
三井化学の吉田修常務執行役員CFOは、5月13日に開催した決算説明会で、ナフサの調達について「一時は先行き不透明感が強かったが、現在2カ月先まで目途が立ちつつある」と話した。中東情勢とナフサ調達の今後について、吉田CFOが見解を語った。
三井化学の吉田修常務執行役員CFOは、5月13日に開催した決算説明会で、ナフサの調達について「一時は先行き不透明感が強かったが、現在2カ月先まで目途が立ちつつある」と話した。
中東情勢が緊迫化する中で、エチレンやプロピレンといった石油化学基礎製品を製造するための原料となるナフサの供給に対する懸念が高まっている。同社は、2026年度業績予想において中東情勢の影響で150億円の営業減益を見込む。吉田CFOは「われわれの使命は原材料を安定的に確実に供給すること」と述べ、供給責任を果たすことを強調した。
ナフサの調達状況はかなり改善 なぜ?
中東からのナフサ調達が困難を極める中、三井化学は北米や南米などへ調達先を広げる「サプライチェーンの多角化」を急いでいる。中東情勢とナフサ調達の今後について、吉田CFOが見解を語った。
中東情勢の影響は150億円、内訳は?
吉田CFO: 収益に大きく影響するのはナフサの価格とナフサクラッカーの稼働率である。ナフサの価格は通期1キロリットル当たり9万5000円としているが、期初は足元並みの12万円程度からスタートし、下期に10万円程度に下がる前提だ。
ナフサクラッカーの稼働率については、依然として減産を継続せざるを得ない状況である。70%を切る水準での減産や減販、エネルギーコストの悪化などを織り込んで、2026年度業績予想において中東情勢の影響でコア営業利益が150億円減と見込んでいる。
現状、生産できていない製品や、供給面での具体的な影響は
吉田CFO: 個別の製品名は控えるが、若干の減産はしている。在庫も持っているので、極力供給を減らさないよう調整しながら運営している。
ナフサの調達先の多角化について
吉田CFO: 北米品の比率を上げ、アフリカ、南米などから広く調達している。時間とコストはかかるが、当面の確保はできている状況だ。4〜5月に比べれば、7月以降の調達の目途は立ちつつある。
ナフサの調達状況が「かなり改善してきた」ワケ
吉田CFO: 3〜4月頃はホルムズ海峡の状況を含め先行き不透明感が非常に強く、その時点で確保できても先が見えにくい状況だった。現在は広く調達ルートを開拓したことで、2カ月先まで確保の見通しが立てられるようになった。一時期の混乱からは脱しつつあることから「改善傾向」と認識している。
今後も価格転嫁は続けていくのか
吉田CFO: われわれの使命は原材料を安定的に確実に供給すること。そのためには、高騰している原料分については価格転嫁をお願いせざるを得ない。安定供給のために、理解をいただきながら進めていきたいと考えている。
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