「サムスンG」を辞めて福岡へ移住 韓国人エンジニアが日本で「衝撃を受けた」こととは?:【連載】ニッポンを「職場」に選んだら(2/4 ページ)
韓国の大手サムスングループを辞めて、日本のIT企業に転職したリュ・ジンシクさん(41)。8年前、レンタルサーバ事業などを手掛けるGMOペパボに転職するため、妻と息子の3人で来日。同社の拠点がある福岡市でITエンジニアとして働いている。
「スペック重視」の韓国 履歴書には資格がびっしり
韓国社会は、日本でも知られるように「スペック重視」の傾向がとても強い。リュさんがサムスンSDSに在籍していた当時も、過熱するスペック競争を実感していたという。
「サムスンSDS時代に新卒研修の指導を担当した際、新入社員の履歴書を見ることがありました。英語、中国語、日本語などマルチリンガルは当たり前。中にはスキューバダイビングなど、一見仕事と関係なさそうな資格まで書かれていました。履歴書に書くスペックが、個人の能力を示す唯一の基準のようになっているのです」
リュさん自身も、大学の成績や語学スコアに加え「誰かに教えるスキルがあること」を示すため、自動車の運転教習の指導員経験なども履歴書に記載して、入社試験や面接を突破したという。
厳しい競争環境を経てきたリュさんにとって、転職した日本の企業文化には驚くことが多かった。特に衝撃を受けたのは、社長との距離感だ。
「もともと日本の企業や社会には『堅い』という印象を漠然と持っていましたが、実際に来てみると非常に自由な文化に驚きました」
「一番驚いたのは社内イベントで、社長が自らサンタクロースの服を着てプレゼントを配っていたことです。前の会社では、社長は社内で会ったとしてもあいさつもできないほど遠く、堅い存在でした。でもここでは、隣で働くパートナー(同僚)のような感覚で自由に会話していたので、本当にカルチャーショックでした」
日々の働き方を支える制度面でも、前職との違いを実感したという。
「勤怠についても、今の職場はフレックスタイム制が導入されており、非常に柔軟です。有給休暇の申請も、理由を細かく問われることなくスムーズに承認されます。こうした個人の裁量を尊重する文化は、すごくいいなと感じました」
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