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「あんた、やるかい?」 看板商品のレシピなし、機械は老朽化……75年続く「喫茶店」の事業承継(2/4 ページ)

開業75年の喫茶店「モア松屋」、地域で長く親しまれてきたが、2020年のコロナ禍で営業継続が危ぶまれていた。そんな状況で、ひょんなことから地元の牛乳販売店が事業承継することに。どのように受け継がれ、地域に愛される店として進化を続けているのか。

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売り上げも原価もコストも分からない

 2020年5月、先代から事業を引き継ぐ準備を始めたが、順風満帆とは程遠かった。「採算が合うのかという不安の方が大きかった」と話すように、経営の基礎となる情報がほとんど残されていなかったのだ。売り上げ、原価、来店数などの数字も把握できず、事業計画の策定も難しかった。

 「当時の価格は、アイスもなかが100円、ソフトクリームが300円でした。どうやって利益を出すのか、正直見えなかったですね」と別井さんは振り返る。


店頭のメニュー表(画像:編集部撮影)

 先代は売り上げなどの話があまり好きではなかった。「やっていれば大丈夫」と繰り返すばかりで、詳細なデータは示されなかったという。来店客数すら不明なまま、翌年の開業の準備を進めていた。

 「今考えると、先代に試されていたのかもしれないと思います。来店客数もコストも利益も何も分からない、採算が合うのかも見えない状態でしたが、それでも店を継ぐのか? というのを見ていたような気がします」

 モア松屋が抱える問題は他にもあった。看板メニューであるアイスもなかのレシピが存在しないことに加え、製造機械も老朽化していたため、機械が壊れたらアイスが作れない状態だったのだ。

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