「壊れてから呼ぶ」が変わる? 月590円「おうち修理サービス」がじわり広がるワケ:サブスクの勝算と限界(2/3 ページ)
水漏れや漏電など、突然起きる住宅トラブル。悪質業者への不安が高まる中、月590円から利用できる「おうち修理サブスク」が契約件数を伸ばしている。“壊れてから直す”文化は変わり始めているのか。
家の老朽化は連鎖的に進む
総務省などによると、国内の約6500万戸のうち、築20年以上の住宅は約6割を占める。住宅設備の耐用年数は15〜20年程度とされ、古くなれば漏電や水漏れなどのリスクも高まる。
しかも、家は一カ所だけ壊れて「はい、あとは大丈夫」といった世界ではない。例えば、給湯器が古くなっている家では、配管や電気設備も同時に傷んでいるケースが少なくない。実際、ホームサーブには、漏電やブレーカーの不具合、水漏れ、給湯器の故障など、さまざまな住宅トラブルが寄せられている。
こうしたサービスに関心を示しているのは、どのような人たちなのだろうか。契約者の約8割は60代以上。ただ、高齢者は「サブスク」という仕組みにあまりなじみがないため、相性が悪いようにも感じる。では、同社はどのように契約件数を伸ばしていったのか。
サービスを始めた当初は、苦労の連続だったという。内容を説明しても「サブスクって何?」「壊れていないのに、なぜ払うの?」――。そんな反応が多かった。
「修理費0円」を前面に打ち出していたが、それだけでは響きにくかった。家の設備は毎日使っているにもかかわらず、「急に壊れる」というイメージを持ちにくいからだ。
そこで同社は、サービスの伝え方を変えた。「修理サービス」ではなく、「暮らしの安心」として打ち出したのである。
「家の老後に備える」「どこに電話すればいいのか分からない、といった不安を解消する」などと訴求。さらに「ランチ1回分くらいの価格で安心を買える」「1カ月では〇〇円、1日当たりでは〇〇円」と具体的に伝えることで、消費者の反応が変わっていったという。
自分にとって必要かどうか。それが分からなければ、人はなかなか動かない。しかし、壊れてから呼ぶのではなく、壊れる前に備えることの大切さを、暮らしの不安と結びつけて伝えることで、加入者が増えていったそうだ。
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