「服のサブスク」はなぜ儲からないのか エアークローゼットが10年で黒字化できた背景:サブスクの勝算と限界(1/5 ページ)
撤退が相次ぐ「服のサブスク」市場で、エアークローゼットが創業10年で初の黒字化を達成した。物流コスト削減や継続率94%超を支える改善の積み重ね、その裏側を追った。
サブスクの勝算と限界:
売り切って終わりではなく、毎月収益が積み上がるサブスクモデル。安定収益、顧客データ、囲い込み――企業にとって魅力は多い。一方で、継続率が下がれば一気に苦しくなる側面もある。急拡大したサブスク市場の勝算と限界を読み解く。
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サブスク市場が拡大を続ける一方で、撤退するサービスも後を絶たない。とりわけファッション領域は黒字化の難易度が高く、コストの壁を超えられず撤退した企業も目立つ。そんな中、創業から10年で初の黒字化を達成したのが、エアークローゼット(東京都港区)だ。
同社が運営する「airCloset」は、プロのスタイリストが利用者の好みに合わせて選んだ服を、月額制で届ける女性向けファッションレンタルサービスだ。月額料金は7980〜1万3980円で、プランに応じて1回につき3着または5着のコーディネートが届く。
2015年にサービスを開始し、2022年に東証グロース市場へ上場。月額有料会員は4万人を超え、登録会員数は140万人を突破している。6カ月以上利用するユーザーの月次継続率は94%を超えており、一度使い始めると長く利用し続ける傾向が強い。
2025年6月期は、売上高が49億5700万円(前期比17.6%増)、純利益が2300万円と、創業来初の黒字化を達成した。同社社長の天沼聰氏は「アパレル大手の傘下ではない独立系ファッションレンタル企業で、黒字化しているのは当社だけ」と語る。
しかし、ファッションサブスクは通常の小売やECとは根本的にコスト構造が異なり、参入企業の大半が数年以内に撤退を余儀なくされてきた。なぜ、この事業モデルは利益を出しにくいのか。そして、エアークローゼットは何を変え、黒字化を実現したのか。
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