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自社で持つ顧客データが「ゼロ」だった永谷園 公式アプリで仕掛ける“指名買い”を生む戦略(2/2 ページ)

複数のロングセラーブランドを抱える永谷園が、同社初となる公式スマートフォンアプリの提供を開始した。背景にあったのは、「顧客データ保有ゼロ」とも言える状態への危機感だ。アプリ開発に踏み切った、老舗メーカーならではの課題とは。

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「安いものを探すだけ」の買い物を変えられるか

 永谷園アプリの狙いは、顧客データの取得だけではない。コミュニケーションデザイン部 部長代理の小川美朋さんは、現在の厳しい市場環境を踏まえ、このアプリに込めた本質的な思いを次のように話す。

 「昨今の物価高により、消費者にとって週末の買い物が『安いものを事務的に探して買うだけの、楽しくない義務』になりつつあると感じています。このアプリが買い物と食卓にワクワク感を生み出し、少しでも日々の買い物の楽しさを思い出すツールになれればと思っています」(小川さん)

 アプリの目的が顧客データの取得だけであれば、レシート投稿機能とランクプログラムだけでも成立する。ガチャ機能を加えた点に「買い物を楽しんでほしい」という思いが込められている。

 また、商品の購入時だけでなく、アプリへのログイン時にもガチャ券を配布する背景には、アプリを習慣的に開くことで日常的に永谷園とつながり、結果的に数ある選択肢の中から「永谷園を選ぶ理由」につながることを期待しているという。

 お茶づけや即席みそ汁のような日常的に購入される食品カテゴリーでは「その日、スーパーマーケットで割引されていた商品を購入する」など、指名買いする商品が決まっていないケースも多い。

 「既存の永谷園ファンの方に、これまで以上に買い物を楽しんでいただくことに加え、特定ブランドへのこだわりがない層に『永谷園の商品を買おう』と思ってもらえるきっかけとして、アプリが貢献できればうれしいです」(小山さん)

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