雑談、挨拶、雪かきまで クレディセゾン「43人のおせっかい集団」が変えた、AI時代の「孤独」(3/3 ページ)
「全社員のAIワーカー化」を掲げ、AI活用を前提とした業務効率化を推進するクレディセゾン。先進的なイメージの強い同社が今、社員同士がそれぞれのちょっとした困りごとを解決するために“おせっかい”をする、通称「おせっ会」活動に注力している。
AI時代だからこそ「人にしか生み出せない価値」が必要
「全社員のAIワーカー化」を掲げ、業務の効率化を強く推し進めているクレディセゾン。戦略人事部長の開沼大輔氏は「AI活用に取り組む当社だからこそ、人事として『人にしか生み出せない価値』を意図的に強化していきたいと考えている。おせっ会はその象徴的な取り組みだ」と話す。
「部門や役職に関係なく人がつながることで生まれる信頼や共感、関係性、そこから生まれる偶発的なアイデアなどは、AIでは代替できない。AIだけでなく、人にしか生み出せない価値をきちんと大事にすることを強く意識している」(開沼氏)
おせっ会の今後について、初期メンバーである志村氏は「全ての部署におせっ会メンバーがいる状態を目指したい」と話す。実際に、おせっ会メンバーの部門在籍率は、2025年4月の15%から2026年4月には38%まで増加している。
一方、メンバーを意図的に増やすことはしないと断言する。「無理に勧誘してメンバーを増やすのではなく、活動を知って自発的に参加してくれる人が自然に増えていくのが望ましい」(志村氏)
岡氏は最終的な目標として「おせっ会自体がなくなること」を挙げる。「おせっ会という肩書きがなくても、普段の業務の中でちょっとした“おせっかい”や声かけができる社風になり、それが維持できている状態になっていくのが理想だ」と力説する。
業務効率化を推し進める際、こうした“おせっかい”は「無駄なもの」として切り捨てられてしまうこともある。AI活用の先進企業であるクレディセゾンの取り組みは、切り捨てられがちな“おせっかい”を「人にしか生み出せないこと」という価値に再定義するものだといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
慕われる“雑談おじさん”を切り捨てた企業の末路 ギスギス職場を救う「見えない貢献」の正体
かつて日本の職場には、仕事をしているのかいないのか分からないけれど、なぜか周囲に慕われる「潤滑油」のような先輩や上司がいました。今、こうした人々の「目に見えない貢献」が、再び脚光を浴びています。
2027年度末までに、累計300万時間の業務削減へ クレディセゾン「CSAX戦略」を実現する4つの柱
DXの先進企業であるクレディセゾンは2025年9月、「CSAX戦略」(Credit Saison AI Transformation)を発表した。戦略の全体像について、同社取締役兼専務執行役員 CDO兼CTOの小野和俊氏が解説する。
女性駅員がデジタル人材に転身 JR西、コロナ禍の“危機感”から始まった全社DXの舞台裏
コロナ禍を経て、「鉄道一本足打法ではダメだ」という危機感を持ったJR西日本。デジタル技術を活用した業務変革に取り組む同社には、駅員からデジタル人材に転身した社員も。同社のDX推進の現場を取材した。
「即戦力採用」はもはや無理ゲー 30代を“使い捨て”する企業の愚
職場に30代がいない……。「30代クライシス」が浮き彫りになりつつあります。そんな不足感も関係してか、企業の9割が「即戦力となるプレイヤー」を30代の中途入社者に期待していることが分かりました。空いた穴を中途社員で埋めるだけで、果たして良いのでしょうか?

