トランプはなぜ「くら寿司USA」を買ったのか 背後にちらつく“エビ・サーモン争奪戦”:スピン経済の歩き方(5/6 ページ)
トランプ米大統領によるくら寿司USA株の大量購入は、何かの間違いや単なる気まぐれではなく、米国の安全保障にかかわる非常に重要な事象ではないだろうか。なぜそう思うかというと……。
米国の回転寿司で人気メニュー
スーパーで売られているフィレや缶詰などの加工品だけでなく、レストランなどでエビやサーモンをもっと大量に消費すれば、市場が拡大する。市場が盛り上がれば加工・流通業者も増えて需要が高まり、取引価格が上がる。国内のサーモン漁師、エビ養殖業者も海外よりも、国内業者に売ったほうがもうかるという意識が広がっていく。
このような形で国内の水産品マーケットを活性化させるには、これまでにない形で水産品を大量に供給して、消費を拡大させる新しいプレーヤーが必要であることは言うまでもない。
ここまで言えばもうお分かりだろう。それこそが、くら寿司USAに求められる役割だ。
多くの日本人の感覚では、回転寿司といえば「まぐろ」だが、米国では人気がそれほど高くない。生魚特有の風味があることに加えて、そもそも生のまぐろを食べる文化が根付いていない。
では、何が人気か。「くら寿司USA」の姥一(うば・はじめ)CEOが2025年12月にメディアで語ったところによれば以下である。
「1位炙り牛肉、2位サーモントロ、3位炙りサーモンマヨ、4位クランチーロール、5位サーモンです。ロール寿司はやはり人気で、7位にゴールデンクランチロール、8位にカリフォルニアロールがランクインしています」(食品産業新聞 2025年12月26日)
トップ5のうち3品をサーモン関連メニューが占めているように、くら寿司USAではサーモン関連メニューが高い支持を集めている。こうしたサーモン大量消費チェーンが全米を席巻すれば、サーモン需要は高まっていくので、サーモン関連産業の成長につながる可能性がある。自国産原料を国内加工するという流れも生まれる。
加えて、「サーモンテック」も盛り上がる。培養肉の技術を用いた「培養サーモン」を開発する米国のWildtype(ワイルドタイプ)社が2025年5月28日、米国食品医薬品局(FDA)から認可を取得した。
まだまだ普及には時間がかかるだろうが、いずれ培養サーモンがスーパーやレストラン、そしてサーモンが最も人気の「くら寿司USA」で扱われる時代が来るかもしれないのだ。
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