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マイル庶民化で激化する「地上戦」 決済額300万円のANA、生涯伴走のJALに見る勝算(2/4 ページ)

日系大手のANAとJALの両社は、自社のマイルを基盤とした「金融・プラットフォーム企業」への変革に活路を見いだしている。「移動の提供」だけでは維持できないインフラコストを、いかにしてマイルプログラムをベースとした決済サービスによって回収するのか。両社の戦略の違いから、マイル経済圏の展望を読み解く。

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既存ファンへの「冷徹な決断」の理由とは? ANAの狙い

 ANAにとって、クレジットカードやスマホの決済手数料の収益化や、カード利用客の膨大な生活データの把握は、航空事業のボラティリティを相殺する強力な安定剤となる。原油高や円安、紛争といった外部環境に翻弄されるリスクを減らすための施策なのだ。

 航空会社から「決済プラットフォーマー」へ――。ANAのSFC改定は、航空会社という「サービス業」の枠を超え「決済プラットフォーマー」への移行を宣言したものと解釈できる。顧客に対し、決済実績という「金融的な貢献」を求めるビジネスモデルに変えたのだ。

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ANAスーパーフライヤーズカードの新ルール。2028年4月から開始(画像:ANA公式サイトより)

移動距離を「データ」に変える ANAが狙う365日の生活包囲網

 ANAの戦略の本質は、圧倒的なサービスラインアップによる「生活の包囲」にある。その「生活包囲網」の具体例は多岐にわたる。

 オンラインショッピングの「ANA Mall」、移動距離をポイント化する「ANA Pocket」、さらには電気・ガスの「ANAでんき・ANAガス」に加え「ANAの保険」「ANAの住まい・ANAの住宅ローン」「ANAモバイル」まで、あらゆる接点にマイルを介在させている。これを活用する「陸マイラー」という言葉も定着して久しい。

 これらの利用実績は、マイルが貯(た)まるだけでなく、年間の搭乗実績が通常より少なくても「ダイヤモンド」「プラチナ」といった上級会員の資格を与える「ライフソリューションサービス」(LS)に直結する。

 これまでの顧客接点は不定期な「点」(搭乗)だったが、これからは継続的な「面」(生活インフラ)へと変えていく。ANAの「生活包囲」戦略は、JALや他ジャンル経済圏への流出を阻止する「防衛網」の役割も果たす。

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ANAの「ライフソリューションサービス」(LS)は飛行機の搭乗が少なくてもステイタスを獲得できる仕組み(画像:ANA公式サイトより)

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