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「希望退職を募集することになったら、私はJALを辞めます」 日本航空・菊山英樹専務:日本航空の行方【前編】(1/4 ページ)

コロナ禍による国際、国内の旅客数減少が長期化して日本航空(JAL)は苦しい経営が続いている。経営破綻後に当時の稲盛和夫会長(現在は名誉顧問)から経営のやり方を巡って叱責された経験がある菊山英樹専務にインタビューした。

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 コロナ禍による国際、国内の旅客数減少が長期化して日本航空(JAL)は苦しい経営が続いている。経営破綻後に当時の稲盛和夫会長(現在は名誉顧問)から経営のやり方を巡って叱責された経験がある菊山英樹専務にインタビューした。


国際、国内の旅客数減少が長期化して日本航空(JAL)は苦しい経営が続いている(JAL提供)

 菊山専務は「あの時のことを思い出して、(今回の厳しい状況下でも)希望退職の募集はせずに、従業員の雇用は守り抜きたい。現状では資金繰りは十分に手当てできている」と財務状況に問題がないことを強調する。

 日本への入国規制が緩和されるなどして、同社にとってはトンネルの先に光が見え始めた。菊山専務に現状と将来展望について前後編で聞く。


菊山英樹(きくやま・ひでき)1983年に入社、2010年に経営企画本部副本部長、12年に路線統括本部国内路線事業本部長、16年に取締役路線統括本部長、20年4月から代表取締役専務執行役員・財務経理本部長。61歳。石川県生まれ(撮影:河嶌太郎)

いかにフレキシブルな対応をとれるか

――第3四半期の決算を発表しました。現在の財務状態をどのようにみていますか。

 第3四半期は昨年と比較するとかなり良くなりました。赤字が大きく、まだ課題はありますが、昨年との比較で見れば急激に回復できています。コロナ禍の緊急事態宣言が明けて、国内線の回復が急だったことで、21年11月からキャッシュバーン(資金流出)を解消できました。国内線がフルに戻っていない中で、国際線を除いても事業構造として今後は十分に期待できることを示せたと思っています。

――さらに業績を改善するためには何が必要だと思いますか。

 需要の変動に見合った形で機動的に体制を調整できるかがカギになります。季節によって需要が大きく変わる傾向がある中で、オミクロン株の影響によって需要が減っていく可能性があります。供給が過剰になった時に、いかに便数をコントロールするかが課題になると思います。

――今後、需要の変動にどう対応していきますか。

 諸外国の事例を見るとオミクロン株の終息は意外と早いという見方もあります。足元でもようやくその予兆も見えてきています。

 需要が反転するタイミングを捉えて、いかにフレキシブルな対応をとれるかが第4四半期のカギになると思うので、いま全力で取り組もうとしているところです。

 一方で、これを成しえるのはそう簡単なことではありません。予定を変更すると代替便も考えなければなりません。その部分をどうするかがこれからのポイントになってきます。

――その対応の仕方も経営破綻前後では、かなり変わってきたという認識でしょうか。

 経営破綻してからは部門別採算という仕組みを取り入れました。何について責任を取るかクリアになったことによって動きが早くなり、各部門がクイックレスポンスできるように変わってきました。

 率直にいって、私が国内線の担当だった時には、「この仕組みを導入して本当に早くなるのか」と疑問視していました。ところが、部門別採算を入れた直後に東日本大震災が起きて、青森や秋田空港への運航便の大型化や山形空港の増便など、素早い対応によって実現できました。

 こうした経験を実地で積んだことによって、その後の会社人生に生きています。数字がついてくるようになりました。経営破綻前と比べてフレキシブルに動ける経営体質に変わったとみてもらっていいと思います。

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