「背中を見て覚えろ」はもう限界 「職員激減」に向けて自治体DXに必要な「AIと共有する業務マニュアル」の作り方(3/3 ページ)
自治体DXの推進が叫ばれる中、現場では業務の属人化や知識継承の停滞といった課題が依然として残っている。背景には、「オレの背中を見て覚えろ」に象徴される暗黙知への依存や、再現性を前提とした業務設計の不足があるのではないか。CIO補佐官として全国の自治体を支援する筆者が、人間とAIエージェントの協働を考察する。
AI時代の業務マニュアルは「チェックポイント」が鍵になる
こうした状況で、人間やAIエージェントに安定して業務を任せるためには、マニュアルそのものに工夫が必要なことが分かってきました。
工夫すべきは「再現性が得られる仕組み」と「中間成果のチェックポイント」です。
「再現性が得られる仕組み」というのは、同じ条件であれば必ず同じ結果が得られるようなシステムやサービスが代表的です。システムやサービスとして、指示を与えれば自動的に結果が得られるようなものは、マニュアルの中で「○○サービスを実行する」という記述にとどめることで、その部分については深く理解しなくても運用できるようにするのも一つの手です。
業務品質のバラつきを抑えるのならば、再現性が得られる仕組みの割合をなるべく多くします。マニュアルの構成も、フローチャートのような形式で手順を誤らせないようにするのが望ましいでしょう。
また「中間成果のチェックポイント」とは、フローチャートと組み合わせることを前提としたものです。作業の過程で生成される中間成果物が、意図していたものか、内容が要件を満たしているのか、事実誤認がないかをチェックした上で、次の工程に進ませるというものです。
特に生成AIを経由した成果物は再現性がなく、ハルシネーションの恐れもあるため、早い段階で品質をチェックし、不足や誤りがあればリトライさせる必要があります。
一方で、再現性を追求した「サイエンス」寄りの業務に終始するのではなく、中間成果のチェックポイントで人間やAIエージェントから批判的な批評を加えてもらったり、あえて再現性を追求しない部分を残したりすることで、業務そのものに血を通わせるような取り組みも有効かと思います。
皆さんもマニュアルを作成する際に、参考にしてみてください。
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