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ブシロードが「新日本プロレス」を「36億円」で売却へ サイバーとテレ朝の明確な狙い古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(2/2 ページ)

ブシロードは5月27日、連結子会社である新日本プロレスリングの保有株式全てをテレビ朝日ホールディングス(HD)とサイバーエージェントの2社に譲渡すると発表した。

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サイバーエージェントの狙いは?

 サイバーエージェントの狙いを整理する上で、ここで一度、プロレスIPを取り巻くマクロ環境を確認しておきたい。

 2024年1月、米Netflixは世界最大のプロレス団体である、米World Wrestling Entertainmentの旗艦番組『Monday Night Raw』を、10年・総額50億ドル超で独占配信する契約を発表し、2025年1月から配信を開始した。初回放送の米国視聴者数は260万人と報じられている。

 プロレスの主戦場は、もはや地上波ではなく配信プラットフォームそのものに移っている。その潮流を踏まえると、サイバーエージェントの狙いはさらにとがっていると筆者は考える。

 同社はすでに2017年にDDTプロレスリング、2020年にプロレスリング・ノアを買収し、2020年9月に両団体を統合してCyberFightを設立した。さらに東京女子プロレスも傘下に収め、2025年12月からは有料視聴プラン『ABEMA de レッスルユニバース』のサービスを開始した。

 ここに国内トップの新日本プロレスが加われば、サイバーエージェントは事実上、国内主要プロレス団体の大半を配信権ベースで握ることとなる。

 サイバーエージェント会長である藤田晋氏のスタンスは明快だ。

 ABEMAは恋愛リアリティショーやスポーツ中継で「ライブ性の高いコンテンツ」を強みとしてきたが、プロレスはその親和性が極めて高い部類に入る。新日本プロレスは2021年4月からABEMAで毎月生中継されており、サイバーとの相性は実証済みだ。今回の株式46.3%取得は、両者の関係性をより強固なものにする布石だろう。

プロレスIPの「再定義」が始まる

 ブシロード時代の新日本プロレスが「興行団体としての復活」を遂げたとすれば、テレ朝×サイバー体制の新日本プロレスは「配信時代のグローバルIP」への再定義を求められる。

 鍵は海外のプロレス市場にどれだけ食い込めるかであろう。ここが機能すれば、新日本プロレスは「日本のプロレス団体」ではなく「日本発のスポーツエンターテインメントIP」として、あらためて世界に売られていくことになる。

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