パイロットの「蛍光ペン」、なぜ1000万本売れた? ゼブラ・三菱鉛筆が強い市場で“機能性”勝負(5/5 ページ)
パイロットコーポレーションの蛍光ペン「KIRE-NA」が累計販売1000万本を突破した。三菱鉛筆やゼブラが強い“2強市場”の中で、後発ながら支持を広げたワケとは?
マーケティングでも“後発”だからこその工夫
KIRE-NAの価格は132円。機能性を打ち出しながらも、手に取りやすい価格帯に抑えたこともヒットした要因の一つだ。後発商品である以上、価格面でのハードルを上げたくなかったという。
本体軸にホワイトの共通カラーを採用し、一部パーツのみを各色に合わせて変えることで、同じ成型機で製造できるようにしてコストを抑えた。
販促面でも工夫を凝らした。ニュース番組風のパロディー動画を制作し、SNSでの拡散を狙った。アナウンサーがシリアスな口調で、パイロットの新商品発売を伝える内容だ。この他、工作系や文房具紹介系のインフルエンサーとのコラボ企画も展開した。
発売方法にも特徴がある。通常、文具の新商品は地域ごとに順次販売するケースが多いが、KIRE-NAは全国一斉発売を実施。北海道から沖縄まで同じ日に店頭に並べることで、SNSで話題化しやすい環境を整えた。
全国の店舗には事前に商品を配送した上で、「発売日まで開封しないでほしい」と協力を依頼。段ボールにも注意書きを記載し、発売タイミングをそろえたという。
発売時期を10月に設定したのも戦略の一つだ。文具市場では4月の新学期需要が大きい一方、シーズン直前では売り場作りや認知拡大の時間が限られる。商品認知を広げる期間を確保するため、進級・進学シーズンの半年前の10月に投入した。
今後について伴野氏は「カラーバリエーションを増やしてほしいという声もいただいているので、トレンドを踏まえながら市場ニーズに合った商品開発を進めている。ここまで認知を広げられたので、歩みを止めずに頑張りたい」と意気込んだ。
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