コラム
「家電のソニー」は終わったのか テレビを手放した巨大企業の姿:家電ビジネス(3/3 ページ)
ラジオで世界に飛び出したソニーは、ウォークマンやテレビで時代を築く一方、金融や映画、ゲームにも進出した。家電不振を乗り越え、いまやIPと半導体を軸に稼ぐ異色企業へと変貌している。
ソニーの家電メーカーからの脱却を決定付けたのが、2027年にテレビ・ホームオーディオ事業をTCLとの合弁会社であるBRAVIAに承継するという象徴的なできごとです。かつてソニーの代名詞だったテレビを手放すことは、物理的な「ものづくり」の会社から、ユーザーの感情を揺さぶる「コンテンツとテクノロジー」の会社への完全な移行を意味します。
現在のソニーは、アニメ、ゲーム、音楽、映画といった強力なIPを軸に、それを支える半導体技術と金融基盤を持つ「クリエイティブ・エンターテインメント・カンパニー」です。家電の看板を下ろしつつあるその姿は、モノからコトへ、ハードからソフトへと価値が移り変わる現代において、日本企業が生き残るための一つの究極の形を示しているのかもしれません。
著者プロフィール:安蔵靖志
一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。
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