コラム
「家電のソニー」は終わったのか テレビを手放した巨大企業の姿:家電ビジネス(2/3 ページ)
ラジオで世界に飛び出したソニーは、ウォークマンやテレビで時代を築く一方、金融や映画、ゲームにも進出した。家電不振を乗り越え、いまやIPと半導体を軸に稼ぐ異色企業へと変貌している。
当時はパナソニック(当時・松下電器産業)が米MCA(現ユニバーサル・スタジオ)を買収するなど、音楽会社や映画会社を買収する動きが加速していました。パナソニックは現場のクリエイターとの文化的な摩擦を解消できず、わずか5年で撤退しました。
対してソニーは、紆余曲折ありながらもエンタメ事業を独立した事業として尊重し続けました。これが後に、ハードとソフトが融合した「PlayStation」の成功や、映画IP(知的財産)を活用した多角的なビジネスへとつながり、現在のソニーを支える最強の武器となったのです。
2000年代以降、テレビ事業の不振によりソニーは長い苦境に立たされました。ブラウン管時代に一世を風靡した「トリニトロン」の栄光は薄れ、液晶テレビでは韓国・中国メーカーとの価格競争に巻き込まれました。
しかし、ここでソニーが他社と違ったのは、テレビという「箱」を売ることから、スマートフォンの「目」となるイメージセンサー(CMOSセンサー)などの高度な半導体デバイスへ資源を集中させたことです。
さらに、医療機器分野への進出や、オリンパスとの資本業務提携を通じて、高精度な手術用モニターや内視鏡技術などを強化。単なる家庭用家電から、プロフェッショナルな技術集団へと舵(かじ)を切りました。
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