もはや「カードの会社」ではない──「金利のある世界」で、クレディセゾンが選んだ戦い方 水野社長に聞く(3/3 ページ)
「金利のある世界」で、預金を持たず市場から資金を調達するノンバンクはどう戦っていくのか。クレディセゾンの水野克己社長は「一長一短」と前置きしつつ、金利の復活を機会だと捉える。
カード会社からの脱皮――「お金の困りごと相談所」へ
クレディセゾンは、もはやクレジットカードの会社ではない。少なくとも、そうであり続けるつもりはないのだろう。
「ペイメント事業1本でやっていくこと自体、もうちょっと無理があるなと。だから、カード会社からの脱皮をうたっていきたい。ペイメントだけでなく、ファイナンスや銀行、証券などにつなげていく」
これは単なる掛け声ではない。その成果は、すでに前期の決算に表れている。源流は月賦販売――「お金の用立て」が出発点で、いまは融資や保証、不動産へと広げた。
足場になるのが、顧客基盤だ。「3300万人の会員基盤があって、しかも50代、60代で資産をお持ちの方が多く、単価も高い。会長がずっと言っていたのが『株式会社・宝の持ち腐れ』。これだけの基盤がありながら、まだ生かしきれていない」
カギは顧客生涯価値(LTV)だ。「保険や証券をベタベタ売るようなことには、あまり積極的にしてこなかった。でも、デジタルを使えば、お客さまのタイミングを見計らってアプローチできる。これからはマーケティングもAIがどんどん担っていく」
目指すは「お金の困りごと相談所」。個人のお金の困りごとに応える存在になる――それが脱皮の行き先だ。
もっとも、追い風が続く保証はない。恩恵が一巡し、調達コストが遅れて効く局面はいずれ来る。決算では銀行・証券機能やM&Aも視野に入れる、とした。先回りで動いてきたクレディセゾンが、次に手をつけるのはどの領域だろうか。
筆者プロフィール:斎藤健二
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
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