コラム
ニトリもドンキも家電メーカー化 なぜ小売りが強くなったのか:家電ビジネス(1/3 ページ)
ニトリやドン・キホーテ、アイリスオーヤマなど、新たな家電プレーヤーが急増している。背景にあるのは、中国・深センを中心とした製造網の進化と、「最高性能より、ちょうどいい」を求める消費者の変化だ。
この記事は、書籍『家電ビジネス』(安蔵靖志/クロスメディア・パブリッシング)に、編集を加えて転載したものです。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
かつて、家電といえばナショナル(現・パナソニック)やソニー、東芝、日立といった大手メーカーの独擅場でした。しかし現在、家電量販店やネット通販、さらにはディスカウントストアの店頭を眺めると、聞いたことのないブランドや、家具店・小売店が展開する家電があふれています。
大手ブランドに比べて圧倒的に安く、それでいて必要十分な機能を備えたこれらの製品は「ジェネリック家電」などと呼ばれ、急速に市場を拡大しています。なぜ今、これほどまでに家電メーカーが続々と誕生しているのでしょうか。
家電メーカーを立ち上げるには、かつては莫大な費用を投じて研究所や工場を設立・維持する必要がありました。しかし現在の家電づくりの拠点は、中国の深センや台湾、香港といったアジアの巨大な製造エコシステムへと移っています。
ここには、家電を製造できる工場だけでなく、基板の回路設計や外装デザインを専門に行う企業が数多く存在します。彼らはすでに「標準的な冷蔵庫」や「一般的な炊飯器」のベースとなるモデルを無数に持っています。そのため、自社に技術者がいなくても、こうした企業にアイデアさえ提示すれば、誰でも「メーカー」として製品を世に送り出せるのです。
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