年商25億円の茨城の喫茶チェーン「サザコーヒー」に学ぶ、地域密着型の差別化戦略(4/5 ページ)
年商25億円を誇る、茨城の喫茶チェーン「サザコーヒー」。喫茶店の倒産が相次ぐ中で、同社が生き残れたのは地域密着型の「差別化戦略」にあった。その取り組みについて、創業者に取材した。
「地方のコーヒー屋が生き残るため」に差別化を続ける
「地方のコーヒー屋が生き残るために、いつも大手や他店との差別化を考えてきました」
その象徴が1997年に南米コロンビアで始めた自社農園「サザ農園」だ。現在は約25ヘクタール(東京ドーム5個分)の敷地で約8万本のコーヒー樹を栽培している。
創業後に何度も南米のコーヒー生産地を視察する中で、鈴木氏は「自社でも農園を保有したい」と考えるようになったという。
「農園取得は大きな投資でしたが、後年になって、人材育成の面で価値がありました。社員やバリスタが農園に行き、生産現場を自分の目で見ることで、コーヒーへの理解が深まり、接客や競技会などでも自信を持って説明できるようになりました」
しかし、その歩みは平たんではなかった。最初の誤算は2000年頃、現地の治安が急速に悪化し、農園がある地区を左翼ゲリラが掌握(事実上の内戦)。日本人が近寄れない状態が続き、実ったコーヒー豆も奪われた。
治安回復後に栽培を再開したものの、2009〜2010年頃にかけて中程度のエルニーニョ現象と同時に「さび病」(コーヒーの葉を枯らす糸状菌の病気)が大発生。当時植えていた品種「カツーラ」が病気に耐えきれず全滅し、その後の品種の植え替え模索中にもさび病の被害を受けた。農園はゲリラ被害を含めて3度にわたり、壊滅的な打撃を受けたという。
この危機を立て直したのが、現社長の鈴木太郎氏だ。同氏によれば、農園取得後には土地の所有権を巡るトラブルも発生したという。現地で法的手続きを進めて権利関係を整理するとともに、信頼できる管理人を自ら探し直し、農園運営体制を再構築。5ヘクタールだった農園も21ヘクタール(当時)まで拡大させた。
さらに東京農業大学で学んだ知識を生かし、病気に弱かった従来品種のカツーラの栽培を見直し、さび病への耐性が高い品種「カスティージョ」や、「ダビ」「ゲイシャ」といった品種への大規模な植え替えを断行。一連の決断が奏功し、コーヒー栽培は軌道に乗っていった。
長年の取り組みが実を結び、サザ農園は2017年10月にコロンビア・カウカ県で開催された「第1回 カウカコーヒー品評会(El major Cafe del Cauca 2017)」(コロンビア有数のコーヒー産地・カウカ県の優良生産者が参加する品評会)で優勝を果たした。現在も収穫した豆を日本へ輸入し、店舗や通販で販売している。
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