現場が”疲弊しないDX” Webだけで年間141件の車検依頼が来るガソリンスタンドの戦略(2/5 ページ)
「どれだけ売り上げを作っても、数字が穴から抜け落ちていくようだった」。そんな危機感から、金澤石油は店頭営業頼みの集客を見直し、自社サイトを軸とした仕組みづくりへとかじを切った。地域のガソリンスタンドが実践した“難しくないDX”とは。
自社サイトを「漁場」にする
業務の仕組み化を進めるにあたり、金澤氏はイグニッションに相談を持ちかけた。同社の谷崎氏は、約10年にわたりガソリンスタンド業界に携わってきた。現場スタッフ経験に加え、約2000店舗の販促支援にも関わってきた。金澤氏とは前職時代から交流があったという。
谷崎氏との対話の中で、金澤氏が共感したのが「現場が無理なく運用ができて、売り上げにつながる”難しくないDX”をやりましょう」という考え方だった。「Webサイトであれば、どのページが見られ、どこから予約につながっているのかを可視化できます。そこに大きな可能性を感じました」(金澤氏)
そこで谷崎氏が提案したのが、自社サイトとSEOを軸にした集客だ。比較サイトへの登録やフランチャイズ加盟といった選択肢もある中、なぜこの方法を選んだのか。
谷崎氏は「比較サイトやフランチャイズは即効性がある一方、価格競争や手数料負担に巻き込まれやすく、自社の価値を積み上げにくい側面があります」と説明する。
目指すのは、外部媒体を活用し「魚を買い続ける」ことではなく、自社サイトの運営により「自分たちで豊かな漁場を持つこと」だと谷崎氏は話す。
「例えば、地域のお客さまが『千葉市 車検』と検索した際、金澤石油の価値が伝わるWebサイトがあれば、共感したお客さまが直接予約してくれます。その資産は一朝一夕にはできませんが、一度構築できれば長期的な競争力の源泉になると思いました」(谷崎氏)
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