NVIDIA「1強」に異変? Google、推論特化ベンチャーが挑むAIチップ覇権戦争(2/4 ページ)
生成AIの普及で急拡大するAIチップ市場。NVIDIAの独走が続く一方、Googleの独自TPUや推論特化ベンチャーが存在感を高めている。競争の焦点は「学習」から「推論」へ――。TSMCを巻き込んだ新たな覇権争いの構図を読み解く。
主戦場は「学習」から「推論」へ
AIチップ市場のトレンドも変化しつつある。
AIの処理は大きく、AIの「脳」を作る「学習」と、ユーザーの要求に応える「推論」の2つに分けられる。これまでは高性能な汎用GPUで両方の処理を担うケースが主流だったが、この方法では推論時のレスポンス速度や処理効率に無駄が生じるという課題があった。
そこで現在のトレンドとなっているのが、学習と推論それぞれに特化した専用チップの開発である。
Googleもこの流れを受け、最新の第8世代TPUで、学習向けの「TPU 8t」と推論向けの「TPU 8i」の2系統を発表した。特に推論向けのTPU 8iは、前世代と比べて性能対コストを80%改善しており、大規模推論のコスト構造を大きく変える可能性を秘めている。
推論特化ベンチャーの台頭とNVIDIAの対抗策
推論能力の重要性が高まる中、推論に特化した専用チップを開発する新興ベンチャーも存在感を強めている。
代表例が米Groq(グロック)や米Cerebras(セレブラス)である。例えば、Cerebrasの最新システムは、NVIDIAのフラッグシップGPUと比較して推論速度が21倍に達するというベンチマーク結果を示しており、推論分野では汎用GPUを凌駕しつつあるとして市場から高い評価を受けている。
もっとも、NVIDIAもこうした動きを静観しているわけではない。
同社は推論特化チップを開発するGroqと巨額のライセンス契約を結び、事実上、自社陣営へ取り込む動きを見せている。実際に、NVIDIAの次世代AIプラットフォーム「Vera Rubin」には、推論特化チップ「Groq 3 LPU」が組み込まれており、メガワット当たりの推論スループットが最大35倍向上すると発表されている。
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