「KADOKAWA夏野社長を解任せよ」 根本原因は業績不振にあらず? 日本企業を悩ます“社外取締役”問題の深層(3/4 ページ)
昨今、株主たちの企業に対する視線が厳しくなっている。特にポイントになりそうなのが「社外取締役」だ。不祥事が起きた企業や、社長の解任を求める声が出たケースなどを基に解説していく。
「社外取締役」が機能するために必要なポイントは?
社外取締役が十分に機能するか否かは、人選が重要です。当該企業と取引関係がないことは当然ですが、取引はなくとも経営者の旧知の“お友だち”であったり、先輩後輩など実質的な上下関係が存在するような人選でもいけません。「言うべきときに、言うべきことを伝える」社外取締役たり得ないからです。経済的、精神的独立性は不可欠なのです。
また安易に社会的地位の高い人物や著名人をお飾り的に社外取締役に据えるのも、問題があります。不正会計疑惑に揺れるニデックでも、社外取締役に企業経営には明るくない大学教授や元官僚幹部ばかりを登用していたことが、発覚を遅らせた一因として批判されています。
一方で、引き受ける側の社外取締役にも、それなりの自覚と覚悟が求められます。「社外」取締役であろうとも、社内事情に精通することが必要です。社外取締役は決して、閑職や名誉職のつもりで受けてはならないわけです。
となれば、いくつもの社外取締役を同時に受けるのは難しくなるはずで、3社以上もの社外取締役を兼務するのが果たして正しい選択であるのか、考えさせられるところです。また自身が現役で上場企業経営者であるならば、他社の社外取締役を兼務して十分に任務を果たせるのか、いささか疑問符が付くところでもあります。
この点に関連して、上場企業のトップと上場4社の社外取締役を兼務するKADOKAWAの夏野剛社長に対して、株主である香港のファンド、オアシス・マネジメントが解任を求める株主提案をしています。
主な理由は業績の低迷ではありますが、夏野氏が兼務する役職の多さを重大な要素として問題提起しています。基本的に社外取締役を務める人には、夏野氏に限らずたいていの場合本業があり、それとの兼務で他社企業経営の一端を担うわけです。前述のような社外取締役の役割に対して本気で取り組むならば、複数の社外取締役兼務は好ましい状況とはいいがたいのではないでしょうか。
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