2015年7月27日以前の記事
検索
連載

KADOKAWA夏野氏、物言う株主から「解任」要請……そういわれても仕方ないといえるワケ(1/3 ページ)

夏野氏が掲げた「グローバル・メディアミックス with Technology」のキーワードは耳に心地よい。だが、5年間の業績だけをみると、物言う株主にとっては絶好の攻め所となってしまった。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士

FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経て株式会社X Capitalへ参画。


 「iモードの父」が、株主総会で信任を問われる立場に立たされた。

 香港拠点のアクティビストファンド「オアシス・マネジメント」は5月21日、KADOKAWAの株主に対し、6月24日開催予定の定時株主総会で夏野剛・代表執行役社長CEOの取締役再任に反対票を投じるよう要請する資料を公開した。


オアシスは、夏野剛CEOの再任に反対票を投じるよう呼びかけた(出所:オアシス「より強いKADOKAWA」資料、以下同)

 オアシスはKADOKAWAの株を着々と買い増し、3月18日時点で議決権ベース11.89%の筆頭株主となり、その後も保有比率を13.76%まで引き上げている。

 KADOKAWA取締役会は5月14日、この解任議案に反対する方針を決議した。同社の中長期的な企業価値向上にとって解任は不適切だとして、夏野体制を擁護する構えを見せている。だが、オアシスが提示した数字と論点を冷静に並べ直すと、解任請求が出てくること自体は無理筋とは言いがたい。

EPSは89%減、ROEは0.5%へ――5年間の通信簿

 まず直視すべきは、夏野氏がCEOに就任した2021年6月以降の業績推移である。オアシス資料が財務数値を引用して語る経営ストーリーは率直だ。

 KADOKAWAの連結営業利益は2021年3月期の136億円から2026年3月期には81億円へと約4割減少した。営業利益率も6.5%から2.9%へと半分以下に縮小している。


KADOKAWAの業績は著しい悪化が続いている

 1株当たり当期純利益(EPS)は77.42円から8.71円と約89%減、自己資本利益率(ROE)は8.2%から0.5%へと事実上ゼロに近い水準まで落ち込む見通しだという。


KADOKAWAの一株当たり純利益は縮小し続けている

 KADOKAWA自身が5月14日に発表した2026年3月期通期決算でも、売上高は前期比1.8%増の2829億円にとどまる一方、営業利益は同51.3%減の81億円と大幅減益となった。2025年11月時点の修正後予想(営業利益103億円)をさらに21%下回って着地した。

 夏野氏が掲げた「グローバル・メディアミックス with Technology」のキーワードは耳に心地よい。だが、5年間の業績だけをみると、物言う株主にとっては絶好の攻め所となってしまった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る