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出前館、株価97%下落……なぜこうなった “海外勢”押し寄せたフードデリバリー、激戦の決着は(1/3 ページ)
フードデリバリーは、出口が見えないコロナ禍に差した一筋の光明――次のプラットフォーム産業として期待されていた。それから5年あまりがたった今、何が起きているのか。
筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士
FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経て株式会社X Capitalへ参画。
2020年の年末、四角いリュックを背負って自転車にまたがる配達員たちが東京に出現した。
Uber Eatsが火付け役となり、後に出前館、foodpanda、DiDi Food、Wolt、menu、Chompy――色も形もさまざまな宅配リュックが、コロナ禍で需要が急減した飲食店の救世主となっていた。
それから5年あまりがたった。街中で見かけるのは実質的にUber Eats、出前館、そして2025年に日本に参入した新顔「ロケットナウ」の3社まで絞られてきた。
そうした中、国産大手である出前館の株価は風前の灯だ。
4月23日、出前館の株価は119円をつけ、時価総額は133億円まで売り込まれた。同社は2020年12月に上場来高値として4000円台、時価総額にして5000億円をつけていた企業だ。
ピークからの下落率は約97%。およそ34分の1まで企業価値は失われた。これは単なる相場調整ではなく「そもそもフードデリバリーは、革新的なビジネスではなく出前にすぎなかったのでは」という市場の冷徹な反応を表している。
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