イオン株「最高値からほぼ半値」の衝撃 それでも高い市場の期待、どう応える?(1/3 ページ)
「日本最大の小売業」の株価が、たった4カ月で4割以上吹き飛んだ。営業利益は過去最高を更新したにもかかわらず、なぜ市場からこのような評価をされているのか、解説する。
筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士
FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経て株式会社X Capitalへ参画。
「日本最大の小売業」の株価が、たった4カ月で4割以上吹き飛んだ。
イオンは1月5日に年初来高値2542円をつけた後、4月30日には1490円まで下落。下落率は実に約41%に達した。決算発表のあった4月9日には一日で7%超下げる場面もあり、市場の失望は数字以上に重い空気をまとっている。
それでもなお、記事執筆(5月15日)時点のPER(株価収益率)は56倍だ。同じ国内大手で見ても、セブン&アイ・ホールディングスが17倍前後、パン・パシフィック・インターナショナルHD(ドン・キホーテなどを運営)が25倍であり、小売業の平均PERである20倍台と比べれば、足元の株価ですら「割高」とされる水準にある。4割下げても「業界平均の2倍超」という評価が残っている点には目を見張るべきだろう。
その大きな理由のひとつとして、イオンは個人投資家比率が極めて高く株主優待目的の長期保有層が多いという点が挙げられる。
あえて言うならば、株主優待目的で細かい数字を気にしない個人投資家は多少株価が高くても買っているし、手放さないからこのPERが正当化されているといえそうだ。
機関投資家目線では、需給の歪(ひず)みによって、本来買えたはずの値段よりも高い値段で買わざるを得ないとみることもできる。
ちなみに、イオンに限らず「人気の優待銘柄」は相対的に割高になりやすい。優待を握りしめている個人と、割高でもファンドの運用ルールなどで買わなければならない機関投資家のシビアな視線が交錯する。
決算翌日の急落は、その均衡が一気に機関投資家側へ傾いた瞬間ともいえそうだ。
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