100枚198円の「ばんそうこう市場」に30枚480円で参入 ケアリーヴが30年かけて市場トップになった理由(4/6 ページ)
100枚198円の商品が並ぶ「ばんそうこう市場」に、30枚480円で参入した「ケアリーヴ」。安売りをせず、体験価値を訴求し続けた結果、発売から約30年で国内ばんそうこう市場の販売個数1位を獲得した。その成長戦略を聞いた。
安売りはしない 「使えば分かる」をどう伝えるか
ケアリーヴの価値はパッケージを見ただけでは伝わりにくく、実際に貼ってみて初めて実感できる部分が大きい。
そこで同社が力を入れたのがサンプリングだ。ドラッグストアなどの小売店でサンプルを配布し、店員やパート従業員にも使ってもらった。すると、次に営業担当者が店を訪れた際、「このばんそうこう、よかったよ」と声をかけられることが増えたという。
「小売店スタッフの方が実際に使って良さを理解してくださったことが大きかったと思います。お客さまにも勧めていただけるようになりました」と富田氏は話す。
サンプリングは店頭にとどまらず、公園や富士山五合目、スポーツイベント、学校、子育て関連イベントなど、靴擦れや子どものけがなどが想定される場所でも実施。実際に消費者に手に取ってもらう機会を増やした。
サンプルを大量に用意するにはコストがかかるため、社内では「そこまで必要なのか」という声もあったという。それでも営業現場からはサンプリングでの反応や再購入につながる手応えが多く報告されていたため、現在も販促施策として継続している。
「ケアリーヴは、一度使っていただくと、また使っていただける商品です。だからこそ、まずは体験してもらうことが重要だと社内を説得しました」
ラインアップも消費者の声を受けて拡充した。レギュラータイプに加え、防水や大判タイプ、指先用、円形、かかと用など、用途や貼る場所に合わせた商品を増やしていった。
中でも転機となったのが、2012年3月に発売した湿潤療法タイプの「ケアリーヴ 治す力」だ。湿潤療法とは、傷口を乾かさず、浸出液を利用して治癒を促すキズケアのことだ。当時、この湿潤療法タイプのばんそうこうが市場のトレンドになりつつあり、同商品を投入したことでケアリーヴブランド全体の認知向上につながった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
10月下旬、なか卯での「床に置かれた食器」の写真がSNSで拡散された。その後のなか卯の対応が適切だったようには感じない。では、どのような対応が求められるのか?
中小企業は「消去法」で50代を採用する 早期退職の前に知るべき現実
大企業の早期退職募集の波が広がりを見せている。申し込みシニア社員も多いようだが、中小企業への転職は簡単ではない。構造的なギャップを解説する。
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
Tシャツなどのオリジナルプリントグッズの製作を展開するフォーカスは2020年のコロナ禍、倒産の危機に陥った。しかし現在はV字回復を果たし、売り上げは約38億円に上る。この5年間、どのような戦いがあったのか?
病院内のカフェ、なぜ「タリーズ」が多い? 100店舗展開を支える運営戦略
タリーズは4月、100店舗目となる病院内店舗をオープンした。他のカフェチェーンの病院内出店は30〜50店規模にとどまるが、なぜタリーズが抜きんでているのか。タリーズが病院内に出店する理由を取材した。
退職一時金を「廃止」する会社は増えるのか 優秀人材が逃げる給与シフトの成否
王子ホールディングスは退職一時金を廃止すると発表した。過去3年間で廃止した大企業の事例はないが、今後この動きは加速するのだろうか。

