社員はこうして“あきらめる” 「静かな退職」に潜む2つの顔(1/3 ページ)
社員は辞めていない。しかし、心はすでに会社を離れているかもしれない。「静かな退職」には、仕事との距離を自ら選ぶ人と、会社への失望から諦める人の2つの顔がある。増え続ける“あきらめ型”が示す、組織の危険信号とは。
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定時に必ず帰る、飲み会には参加しない、会議では一言も発言しない、任意の社内研修には一切参加しない、チーム内でトラブルが起きても、我関せずと手を貸さない――。「静かな退職(Quiet Quitting)」は2022年にSNSから広がった言葉だ。昨今、この「静かな退職」の是非について議論されるようになってきた。
静かな退職に至る原因、定義ははっきりしておらず、単なるエンゲージメント低下として語られることもある。
では、問題のある「静かな退職」とは何か。そしてマネジャーはどう向き合うべきだろうか。
「静かな退職」は2つある
静かな退職は組織行動論におけるEVLNモデル(Exit-Voice-Loyalty-Neglect)を参考にすると、より理解が深められる。EVLNモデルとは、組織やグループに対する不満や問題に直面した際の、構成員がとる4つの反応パターン(退出・発言・忠誠・怠慢)を表す枠組みだ。
上記の枠組みを参考にすると、静かな退職は2つに分けて分析できる。
積極的選択である「割り切り型」
雇用などの契約上の役割はきちんと果たしたうえで、無償の助け合いや時間外のコミットメントだけを自律的に手放すタイプだ。トレードオフを自覚した選択であり「今は育児に専念したいから」「仕事外で専念したいことがあるから」などの事情がある場合が多い。
消極的選択である「あきらめ型」
発言(改善要求)も退出(転職)もせず、あきらめや不公平感、燃え尽きから惰性で力を抜く、受動的な引き上げを行っているタイプだ。
行動は同じでも、内心は正反対の意思が宿っている。割り切り型は一定のラインの仕事に対して責任を持って全うしようとするが、あきらめ型は徐々に働く意欲を下げていく。
あきらめ型の存在によりチーム全体の雰囲気が悪化し、彼らが意図的にやらない業務負荷が他のメンバーや上司に集中し、「頑張る者だけが損をする」という強い不公平感を生みだす。問題となるのは、あきらめ型である。
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