社員はこうして“あきらめる” 「静かな退職」に潜む2つの顔(2/3 ページ)
社員は辞めていない。しかし、心はすでに会社を離れているかもしれない。「静かな退職」には、仕事との距離を自ら選ぶ人と、会社への失望から諦める人の2つの顔がある。増え続ける“あきらめ型”が示す、組織の危険信号とは。
必要なのは、あきらめの要因を探ること
静かな退職を選んだ社員に対して、原因を放置したまま「静かな解雇」で対処しようとするケースがある。静かな解雇とは、仕事を与えない、重要な会議から外すなどの間接的な環境変化などを通じて、自発的な退職を促す行為だ。
これでは当然、解決しない。あきらめ型の核心は、努力に見合う評価や処遇が返ってこないなど、組織に対するあきらめによるものだからだ。そもそも静かな解雇という行為は、労働条件の不利益変更や実質的な退職勧奨という法的リスクも背負うことになる。
あきらめ型の社員がいた場合に企業が本来とるべき方針は、“あきらめ”の原因を特定し根本解決を図ることである。
労働者側にもリスクが伴う
あきらめ型の静かな退職は、労働者側にもリスクが伴う。
挑戦を避け続ければスキルは伸びない。スキルが伸びなければ、徐々に将来の選択肢を狭めていく。現代では、定型的でマニュアル化できる業務ほどAIやRPAなどによって自動化されやすい傾向がある。「淡々と定常業務をこなす要員」をずっと続けてしまうと、AIに代替されることになってしまうかもしれない。
さらに厄介なことに、割り切り型なのかあきらめ型なのか、労働者本人にとっては見分けがつきにくい。本当はあきらめ型による消極的選択なのに「これは自分の選択だ」と後付けで割り切り型だと思い込むことがある。この場合、上司や同僚からの客観的な視点やアドバイスが必要だ。
不満を消化できているのか、再び「挑戦する側」へ戻れる実感はあるか、最低限の成果をしっかり保つことができているか――マネジャーが1on1などの場でこれらを一緒に確認していくと、割り切り型かあきらめ型かの手がかりになる。
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