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静岡ローカルチェーン「さわやか」は、なぜ成長を続けられるのか? ハンバーグを売るだけではない“非常識な経営”の裏側(6/7 ページ)

静岡県内のローカルチェーンとして絶大な人気を誇る「炭焼きレストランさわやか」。数時間待ちは当たり前の同店は、なぜこれほどまでに多くの人を引き付けているのか。

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飲食店の“常識”を破る施策も開始

 さわやかは2024年から、毎週木曜日を定休日にしました。年中無休を常識とするチェーン店にはありえない決断です。

 一般的に小売店や飲食店は年中無休が多く、シフトをやりくりしながら運営しています。しかし、自分が休みの日も店が営業しているというのは、店員さんの立場から見ると精神衛生上、あまり良いことではありません。休みの日でも「今日はお客さんが入っているかな」と気持ちが休まらないからです。

 「人が人を幸せにするビジネス」を継続し、良い商品・サービスを提供するためには、店も休むべきではないか。現在の富田玲社長はそう判断して木曜定休を決めたのです。

 企業理念の「さわやかの存在意義」には、飲食店は「心のつながり」を感じられる場所であるべきだと記されています。だからこそ、さわやかは「どこよりも、人々(働く人・お客様)が笑顔にあふれ、 元気になれるレストラン」「外食することの喜び、外食で働くことの楽しさをどこよりも実現できるレストラン」を目指すと書いてあります。

 特別な体験をしたいと思って来店したお客さんを、イキイキしたスタッフが笑顔で迎える。そこで楽しい思い出を作ってもらえる「心に残るレストランになる」ことが同社が守ろうとしている存在意義です。

 静岡県内から出ない、DX一辺倒にしない、定休日を設ける――さわやかは奇をてらって、“非常識”な経営をしているわけではありません。同社が大切にしたい本質を守るため、結果的に世の中の常識とは逆の形になっているに過ぎないのです。

 しかしこれこそがAI時代にあるべき企業の姿ではないかと私は思います。人のあたたかさに触れながら、おいしいハンバーグを食べるために「なんとなく、また行きたくなる」店。さわやかが築いている自然体のブランドイメージには、これからのリアル店舗に必要な要素がたくさん詰まっているように思います。静岡のソウルフード・さわやかに、今後も注目したいと思います。

著者プロフィール

岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)

ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント

1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。直近では著書『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第5版]』を刊行した。

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